山元加津子

山元加津子（やまもと かつこ）氏は、1957年5月21日生まれの日本の作家です。かつては石川県立明和養護学校（現在の特別支援学校）で教壇に立ち、2014年に退職されています。彼女は、特別支援教育の現場で子供たちと向き合った経験から得た学びや気づきを、文筆活動をはじめ、講演会、写真やイラスト作品などを通して発信し続け、子供たち一人ひとりの持つ可能性や存在そのものへの理解を社会に広く深く訴えかけています。その親しみやすい人柄から、「かっこちゃん」という愛称で多くの人々に慕われています。

石川県金沢市に生まれた山元氏は、地元の石川県立金沢二水高等学校を経て、富山大学理学部化学科で学びました。大学卒業後、特別支援学校の教諭として長年にわたり子供たちの教育に携わります。

教諭としての経験は、彼女の作家活動やその他の表現活動の源泉となっています。障がいのある子供たちやその家族と心を通わせる中で見出した「本当のこと」、つまり、いのちの尊さ、違いを認め合うことの大切さ、そして何よりも「愛」の力を、独自の温かく柔らかな筆致で綴っています。彼女の作品は、多くの読者に感動や共感を与え、生きる力を与えてくれると評価されています。

山元氏の思想や日常は、複数のドキュメンタリー映画にも描かれています。

『1/4の奇跡〜本当のことだから〜』（入江富美子監督、2007年）
『宇宙（そら）の約束〜いのちが紡ぐ愛の詩〜』（岩崎靖子監督、2008年）
『僕のうしろに道はできる～奇跡が奇跡でなくなる日に向かって～』（岩崎靖子監督、2012年）

これらの作品は、彼女と子供たちの温かい交流や、彼女の語るメッセージを通して、多くの人々に深い感銘を与えました。また、自らも映画監督として作品を発表しており、『銀河の雫 はじまりはひとつ』（2016年）、『しあわせの森』（2023年）などを手がけています。

彼女の著作は多岐にわたります。詩集、絵本、エッセイなど、様々な形式で「いのち」や「幸せ」について語りかけています。

『さびしいときは心のかぜです』（原田大助共著、樹心社、1995年）
『たんぽぽの仲間たち』（三五館、1996年）
『僕の上の星☆君の上の星』（原田大助共著、樹心社、1996年）
『原田大助詩画集』（原田大助共著、小学館、1998年）
『きいちゃん』（アリス館、1999年）
『ゆうきくんの海』（三五館、1999年）
『好き好き大好きの魔法』（三五館、2000年）
『あふりか!たんぽぽノート』（三五館、2001年）
『土の中には見えないけれどいつもいっぱい種がある』（原田大助共著、金の星社、2001年）
『あなたといつもつながっていられたらいいのに』（青心社、2002年）
『いちじくという名の犬と…』（アリス館、2002年）
『想っている』（青心社、2003年）
『心は羽がはえているから』（北水、2003年）
『違うってことはもっと仲良くなれること』（樹心社、2003年）
『本当のことだから』（三五館、2004年）
『魔女・モナの物語』（青心社、2005年）
『心の痛みを受けとめること』（PHPエディターズ・グループ、2006年）
「しんちゃんとえみちゃん」（『10分で読める名作. 4年生』収録、学習研究社、2007年）
『宇宙の約束』（三五館、2007年）
『魔女・モナの物語. 2（魔法の国エルガンダの秘密）』（青心社、2007年）
『約束―般若心経は「愛の詩」』（三五館、2007年）
『きいちゃん』（全国学校図書館協議会、2008年）
『宇宙は、今日も私を愛してくれる』（三五館、2009年）
『満月をきれいと僕は言えるぞ』（宮田俊也共著、三五館、2010年）
『手をつなげば、あたたかい。』（サンマーク出版、2011年）
『ありがとうの花―魔法のメルマガは朝8時に届く』（三五館、2011年）
『大切な花を心にひとつ』（三五館、2015年）
『みみずと魔女と青い空：大人になったわたしから小さいころのわたしへ』（公硯舎、2017年）
『リト』（モナ森出版、2020年）

山元加津子氏の活動は、教壇を離れた今もなお続いており、多くの人々に「いのち」への尊厳と他者への温かい眼差しを持つことの大切さを伝え続けています。

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