山口健 (作家)

山口 健（やまぐち たけし）

日本の小説家。1956年、静岡県三島市に生まれる。

略歴

山口健氏は1956年に静岡県三島市で誕生した。幼少期から地元の小学校、中学校で野球に熱中し、スポーツに親しんだ時期を過ごす。大学は千葉大学教育学部に進学し、卒業後は千葉県内の高等学校教諭として採用され、四半世紀にわたる教職人生を歩み始めた。

高校教諭として教壇に立つ傍ら、部活動指導にも情熱を注いだ。特にソフトボール部の顧問としては、卓越した指導力を発揮し、チームを計5回、全国大会出場へと導くという輝かしい実績を残している。教育者としてのみならず、指導者としても多大な功績を上げた。

2004年、体調を崩し、病気治療に専念する必要が生じたため、長年勤めた教職を離れる決断をする。退職後、山口氏は適応指導教室の指導員として新たな活動を開始した。ここでは、様々な事情で学校に通えなくなった不登校の児童や生徒たちの教育支援に携わった。子どもたちの心に寄り添い、彼らが再び学びの場や社会とのつながりを取り戻せるよう尽力した経験は、その後の氏の人間観や創作活動に深く影響を与えたと考えられる。

現在も病気の治療を続けながら、作家としての活動を精力的に展開している。

作家活動

適応指導教室での支援活動に携わる中で、あるいはそれを終えてから、山口氏は本格的に小説の執筆を始めた。作家への道を切り拓くため、文学賞への応募を積極的に行った。

2007年には、伊豆文学賞に応募した作品『水湧き出づる町で』が見事佳作に選ばれた。この時の応募名義は「伊野里健（いのさと たけし）」であった。

さらに2013年には、銀華文学賞歴史小説賞において、歴史を題材とした作品『東雲白むまで』が奨励賞を受賞。この受賞も伊野里健名義でのことである。これらの文学賞での受賞は、山口氏の才能を認められると共に、その後の作家活動を継続する上で大きな励みとなった。

主な著書

文学賞での評価を得た後、山口健名義での単行本を刊行している。

『バック しまっていこうぜ！』
2014年に合同フォレストから刊行された作品。同社のフォレストノベルズレーベルより出版された一冊である。

長年にわたる教育者としての経験、特に学校現場や適応指導教室で子どもたちと真摯に向き合った日々は、山口氏の作品世界の深みや登場人物の造形に影響を与えていることが推察される。現在も治療と並行して創作活動に意欲を見せており、今後の新たな作品の発表が期待される小説家である。

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