山口洋一

山口洋一

山口洋一（やまぐち よういち）は、1937年1月14日生まれの日本の元外交官、著作家です。佐賀県で生まれ、幼少期に神奈川県鎌倉市へ移り住みました。1960年に東京大学教養学部教養学科仏文科を卒業後、外務省に入省。

外務省でのキャリア

外務省では、経済局、アジア局、調査部、情報文化局といった様々な部署で勤務しました。また、在フランス、南ベトナム、イタリア、インドネシアの各大使館にも勤務し、国際的な外交実務を経験。外務省情報文化局海外広報課長を経て、1981年からはパリ・ユネスコ常駐代表、駐マダガスカル特命全権大使兼駐コモロ特命全権大使、駐トルコ特命全権大使を歴任しました。1995年には駐ミャンマー特命全権大使に就任し、1998年に外務省を退官しました。

退官後の活動

退官後は、2006年から2009年までNPO法人国際芸術家センターの理事長を務めるなど、文化交流や国際協力の分野で活躍しました。その他、日本・トルコ協会の副会長、顧問、東芝顧問、NPO法人アジア母子福祉協会理事長、東アジア歴史文化研究所所長を歴任。2018年からは、日本、中国、韓国を会場とした国際学術会議や国際展覧会を開催し、学術交流、文化交流に尽力しています。

著書

山口洋一は、外交官としての経験を活かし、多数の著書を執筆しています。主な著書には、以下のものがあります。

『マダガスカル アフリカに一番近いアジアの国』（1991年）: マダガスカルの文化や社会について紹介。
『トルコが見えてくる この親日国の重要性』（1995年）: トルコの歴史や親日的な国民性について解説。
『ミャンマーの実像 日本大使が見た親日国』（1999年）: ミャンマーの政治、経済、社会の実情を描写。
『<思いこみ>の世界史 外交官が描く実像』（2002年）: 歴史における「思い込み」が国際関係に与える影響を考察。
『敗戦への三つの<思いこみ> 外交官が描く実像』（2005年）: 日本の敗戦につながった「思い込み」を分析。
『腑抜けになったか日本人 平成の若者よ、これでは日本はダメになる! 日本大使が描く戦後体制脱却への道筋』（2007年、増訂版2008年、加筆修正版2013年）: 日本の現状に対する危機感と、今後の日本の進むべき道を示唆。
『歴史物語ミャンマー 独立自尊の意気盛んな自由で平等の国』（2011年）: ミャンマーの歴史と文化を詳細に解説。
『アウン・サン・スー・チーはミャンマーを救えるか?』（2012年）: ミャンマーの民主化運動指導者であるアウン・サン・スー・チーの活動とミャンマーの将来について考察。
『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』（2015年）: 植民地支配の歴史と、そこに見られる白人優越意識について批判的に考察。

翻訳

また、翻訳家としても活動しており、C.レイトン、P.ユーリ共著の『現代の国際投資 アメリカ企業の欧州進出』（1969年）を小宮隆太郎、中里昌夫と共に翻訳しました。

山口洋一の著書は、外交官としての経験に基づいた国際情勢や歴史に対する深い洞察が特徴であり、日本と世界の未来を考える上で貴重な視点を提供しています。

参考文献

山口洋一・寺井融『アウン・サン・スー・チーはミャンマーを救えるか?』マガジンハウス、2012年

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