山口県第3区

山口県第3区の概要

山口県第3区（やまぐちけんだい3く）は、日本の衆議院議員総選挙で使用される選挙区で、1994年に公職選挙法が改正され設置されました。現在の区割りは2022年の改正を経て決定され、下関市、萩市、長門市、美祢市、山陽小野田市、そして阿武郡を含む地域が新たに第3区として設定されています。これにより、旧第3区と旧第4区の地域を統合した形となっています。

歴史的背景

この選挙区は、中選挙区制が採用されていた時代から自由民主党の強い拠点となっており、特に河村建夫氏がこの選挙区の議員として長い間君臨していました。河村氏は内閣官房長官や衆院予算委員長を歴任し、選挙区内での強い影響力を誇りました。

しかし、2012年以降、状況は徐々に変化し始めました。参議院議員の林芳正氏がこの選挙区への鞍替えを希望し、自由民主党内で公認を巡る争いが勃発しました。河村氏は「全力を尽くして議席を確保する」と明言し、県連役員は林氏の公認を求めましたが、党本部は河村氏を優先し、林氏は出馬を断念せざるを得ませんでした。

この一連の出来事は地元の選挙に影響を与え、林氏は河村氏が支援する候補者に対抗する形で地方政治に積極的に関与するようになりました。特に、萩市長選においては林氏が支援した候補者が当選するなど、彼の影響力が次第に強まっていきました。

近年の動向

2021年には林氏が衆院選への鞍替えを発表し、参議院議員を辞職することとなります。地元議員たちも彼を全力で支援する姿勢を示し、河村氏は「現職優先」と発言しつつも、自民党の情勢調査で林氏が圧倒的優位に立つ中で党本部から公認を受けることに成功しました。これに伴い、河村氏は出馬を断念し、林氏は衆議院議員として初当選を果たしました。さらに、林氏は外務大臣に就任し、彼の知名度と影響力が劇的に増大しました。

その後、2022年の衆議院議員選挙区画定審議会での提案により、山口県第3区の区割りが再び見直される計画が浮上しています。この改定案が実施されると、山口市が新たな第1区に統合される一方で、現第3区は下関市と長門市を含む区域へと変わる見通しです。

選挙結果の傾向

歴史的に見ても、山口県第3区は高い投票率を誇り、自由民主党が強く支持されてきました。例えば、最近の選挙では、2021年の投票率が50.14%、2017年が55.53%といった具合に、選挙ごとに高い関心が示されています。こうした状況は、今後の選挙でも注目される要因の一つとなるでしょう。

関連項目

また、山口県第3区は映画『シン・ゴジラ』においても重要な役割を果たし、主人公の代議士の選挙区として設定されています。監督の庵野秀明氏はこの地域出身であり、地域の政治的背景がフィクションにも影響を与える一例と言えるでしょう。

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