山口裕子 (デザイナー)

山口裕子: ハローキティのデザインを支えた女性

山口裕子（やまぐち ゆうこ）さんは、1955年10月24日生まれ、高知県高知市出身のキャラクターデザイナーです。彼女はサンリオに所属し、ハローキティの第3代デザイナーとして世界的に知られています。また、サンリオにおける役職は取締役キャラクター制作部長で、本名は崎山裕子です。

キャリアの始まり

裕子さんの美術への道は中学2年生の頃に始まりました。美術の先生から美大進学を勧められ、高校に進学したタイミングでデッサン教室に通い始めます。高校3年生の時には、「HOW ABOUT MILK?」という題の猫の絵で高知県の県展にて褒状を受賞しました。この成功を経て、女子美術大学に入学し、1978年には同大学芸術学部産業デザイン科デザイン専攻を卒業しました。

大学卒業後、裕子さんは1978年にサンリオに入社し、1980年にはハローキティのデザイナーに就任します。当初は、当時人気があったキキララの方が彼女のお気に入りであり、キティにはあまり関心がなかったと語っています。しかし、彼女はキティの人気回復に向けて尽力し、リサーチを基にデザインを見直すなどの工夫を凝らしました。

デザインの革新

裕子さんは、ハローキティのデザインにおいて何度も大胆な変更を行いました。従来のくっきりとした黒い輪郭線をなくし、ファッションの流行に合わせた頭身の調整やポージングの多様化を図りました。このような革新によって、彼女はキャラクターの魅力を高め、世代や時代に応じたデザインを積極的に取り入れることに成功しました。

特に、1983年に生み出した「テディベアを抱いたキティ」イラストは大ヒットとなり、それにあたる「タイニーチャム」も国内外で人気を集め、ハローキティの存在感を一層高める結果をもたらしました。1999年にはキティのボーイフレンド「ディアダニエル」、2004年にはペットの「チャーミーキティ」を生み出し、キャラクターの世界観をさらに広げていきました。

他のプロジェクト

裕子さんはハローキティのデザインだけでなく、他のキャラクターの制作にも関与しています。彼女はセガトイズとのコラボレーションで「ジュエルペット」のプロデューサーを務め、テレビ朝日のマスコットキャラクター「ゴーちゃん。」の開発にも関わりました。

2012年には高知県の観光特使に任命されます。また、同年8月には「KITTYROBOT展」が表参道ヒルズで開催され、裕子さんはこの新しいキティのロボットアトラクションを宣伝しました。このイベントでは、著名人や人気ブランドのデザインした120点のキティロボットが展示され、すべての作品がチャリティーオークションにて販売されました。

裕子さんはまた、ハローキティのファンである世界的な著名人に特別なぬいぐるみをプレゼントすることで話題を集めています。レディー・ガガが来日した際には、彼女のスタイリングに合わせたハローキティのぬいぐるみが注目を浴びました。

メディア登場

裕子さんはメディアにも出演し、2010年にはフジテレビの『笑っていいとも!』にハローキティと共に登場。2016年にはNHKの『先人たちの底力 知恵泉』にゲストとして出演し、2018年にはNetflixのオリジナルシリーズ『ボクらを作ったオモチャたち』に登場しました。

まとめ

山口裕子さんは、その独自の視点とデザイン力でハローキティを手掛けることで、ただのキャラクターを超えた文化的アイコンへと成長させました。彼女の作品は、世代を問わず多くの人々に愛され続けています。

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