山崎公園

山崎公園（やまざきこうえん）

埼玉県富士見市水子の地、穏やかな流れを見せる富士見江川沿いの低地に位置する山崎公園は、地域住民にとって身近な憩いの場でありながら、別名「せせらぎ菖蒲園」として多くの人々を惹きつける魅力的な公園です。

公園の成り立ちと特徴

この公園は、富士見市が市制施行20周年を迎えたことを記念する事業の一環として計画され、整備されました。そして、1994年（平成6年）4月にその門を開き、以来多くの市民に利用されています。公園の総面積は約1000平方メートルと決して広大な規模ではありませんが、その敷地を最大限に活かし、特に花菖蒲の美しさを堪能できるよう工夫が凝らされています。

「せせらぎ菖蒲園」の名の由来

山崎公園が「せせらぎ菖蒲園」という愛称で呼ばれるようになった最大の理由は、その敷地内に設けられた複数の菖蒲田に植えられている、約60品種にも及ぶ5000株もの花菖蒲の存在です。植栽されている品種は多岐にわたり、日本の伝統的な花菖蒲である江戸系、肥後系、伊勢系のほか、外国系の品種も見られます。特に江戸系の品種が多く植えられており、変化に富んだ姿と色彩の花々が訪れる人々の目を楽しませます。清らかな水のせせらぎを聞きながら、色とりどりの花菖蒲を鑑賞できることから、この親しみやすい別名が定着しました。

季節ごとの彩り

山崎公園は、花菖蒲の最盛期だけでなく、一年を通して様々な花々が園内を彩ります。花菖蒲が見頃を迎える初夏の時期には、紫陽花（あじさい）やポピーも同時に咲き始め、公園全体をより華やかに演出します。また、夏が過ぎて秋の気配が漂い始める頃には、鮮やかな赤色の彼岸花や、風に揺れる可憐な萩（はぎ）の花が見頃を迎えます。季節の移ろいごとに異なる表情を見せるため、訪れるたびに新たな発見があるでしょう。

賑わいと利用状況

普段の山崎公園は、近隣に住む人々が散歩を楽しんだり、ベンチで静かに読書をしたりと、穏やかな時間が流れる地域の憩いの場として利用されています。しかし、花菖蒲が最も美しく咲き誇る6月頃の最盛期には、その様子が一変します。この時期は、園内の見事な花菖蒲を一目見ようと、地域住民はもとより、県内外から多くの観光客が訪れるため、公園内は大変な賑わいを見せます。その賑わいはまるで観光地のようで、公園の入口付近には臨時に屋台が立ち並ぶこともあり、お祭り気分も味わうことができます。

アクセス方法

山崎公園へは、公共交通機関または車でアクセスすることが可能です。

電車をご利用の場合:
東武東上線鶴瀬駅東口から、徒歩でおよそ16分程度です。
東武東上線みずほ台駅東口からは、富士見市内循環バス「市役所行き」に乗車し、「健康増進センター」バス停で下車するのが便利です。

お車をご利用の場合:
* 関越自動車道の所沢インターチェンジからは、約6.5キロメートルの距離にあります。公園には無料の駐車場が整備されており、普通車22台の収容が可能です（うち2台分は障害者用スペースが確保されています）。

山崎公園は、規模こそ大きくありませんが、丹精込めて手入れされた花菖蒲をはじめとする四季折々の花々が楽しめる、富士見市の隠れた名所です。清らかな水辺の環境と豊かな自然が調和し、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれるでしょう。

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