山崎昶

山崎昶（やまざき あきら）

プロフィール

山崎昶（1937年 - 2018年）は、日本の化学者であり、理学博士です。専門は分析化学で、教育者、著述家、翻訳家として多岐にわたる活動を行いました。特に一般向けの化学解説書で知られ、化学の面白さや奥深さを広く一般の人々に伝えました。

略歴

1937年、大連市に生まれる。
1960年、東京大学理学部化学科卒業。
1965年、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。
1965年、東京大学助手（理学部化学教室）
1975年、電気通信大学助教授
1999年～2003年、日本赤十字看護大学教授

研究と教育活動

東京大学で助手として研究活動に従事した後、電気通信大学で教鞭を執りました。その後、日本赤十字看護大学で教授を務め、化学の知識と教育に貢献しました。専門の分析化学の知識を生かし、学生たちの育成に尽力しました。

執筆活動

山崎昶は、多数の著書と翻訳書を出版しており、特に一般の読者向けに化学をわかりやすく解説する書籍を多く手がけました。講談社ブルーバックスシリーズでは、化学の基礎知識から身近な疑問まで、幅広いテーマを扱った著作を発表しました。また、科学とミステリー、SFを融合させた独特の視点を持つ著作も特徴的です。

主な著作

単著

『知的検索の技術―新しい"もの探し"の科学』（1982年、講談社ブルーバックス）
『機器分析実技シリーズ 核磁気共鳴分光法』（1984年、共立出版）
『暮らしの中の化学質問箱―亀の甲アレルギーの人々のために』（1985年、講談社ブルーバックス）
『これはびっくり!化学マジック・タネ明かし―スーパーマーケット・ケミストリー』（1988年、講談社ブルーバックス）
『化学迷答集―誤答はナゼ起こる?』（1991年、講談社ブルーバックス）
『ミステリーの毒を科学する―毒とは何かを知るために』（1992年、講談社ブルーバックス）
『SFを化学する』（1992年、裳華房）
『化学者ちょっといい話』（1992年、裳華房）
『ファクトとフィクション―化学とSFとミステリー』（1996年、裳華房）
『サッカーボール型分子C60―フラーレンから五色の炭素まで』（1997年、講談社ブルーバックス）
『家庭の化学―古今東西、暮らしのサイエンス』（2003年、平凡社新書）

共著

『無機化学 (基礎演習シリーズ) 』（1986年、裳華房）
『ミステリーと化学』（1992年、裳華房）
『落語横丁の化学そぞろ歩き』（2002年、裳華房）
『医療・看護系のための化学入門』（2003年、裳華房）
『錯体のはなし』（2004年、米田出版）

翻訳

『化学用語小辞典』（1983年、講談社ブルーバックス）
『サイエンティスト ゲーム―成功への道』（1987年、学会出版センター）
『やさしい最新のNMR入門』（1988年、培風館）
『続 サイエンティストゲーム―若き科学者のための生き残り戦略』（1989年、学会出版センター）
『先生を困らせた324の質問』（1996年、三田出版会）
『続・先生を困らせた324の質問』（1996年、三田出版会）
『固体物理学シミュレーション』（1996年、海文堂出版）
『電磁気学シミュレーション』（1996年、海文堂出版）
『科学がわかる5つのアイディア』（1997年、海文堂出版）
『スパイが操る科学テクニック―キミもジェイムズ・ボンドになれる』（1997年、丸善）
『科学テクニックで名探偵になろう―めざせシャーロック・ホームズ』（1997年、丸善）
『科学マジックでアッといわせよう』（2000年、丸善）
『科学捜査―続・化学と犯罪』（2000年、丸善）
『化学するアタマ―論理的思考力を鍛える本』（2002年、化学同人）
『元素の百科事典』（2003年、丸善）
『中国化学史話 (上)』（1991年、裳華房）
『中国化学史話 (下)』（1991年、裳華房）
『新・化学用語小辞典』（1993年、講談社ブルーバックス）
『シェフに学ぶ楽しい科学実験室―世界14カ国の家庭料理を使って』（1997年、丸善）
『化学の世界 (シリーズ 図説 科学の百科事典 4)』（2006年、朝倉書店）

編著

『化合物の辞典』（1997年、朝倉書店）
『法則の辞典』（2006年、朝倉書店）

業績と影響

山崎昶は、化学の専門知識を一般の人々にもわかりやすく伝え、化学への興味と理解を深めることに大きく貢献しました。その著作は、教育現場でも活用され、多くの人々に科学の面白さを伝えるきっかけとなりました。また、翻訳家としても海外の優れた科学書を日本に紹介し、日本の科学教育の発展に寄与しました。

外部リンク

山崎昶先生が答える化学質問箱 - 化学同人ウェブサイト内アーカイブ
山崎 昶 AKIRA YAMAZAKI | ブルーバックス - 近影、プロフィール、著作リスト


山崎昶は、その多岐にわたる活動を通して、日本の化学界に大きな足跡を残しました。

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