山崎柄根

山崎 柄根：日本の昆虫学者

山崎 柄根（やまさき つかね）は、1939年3月2日に東京都で生まれた日本の著名な昆虫学者です。彼は昆虫に関するさまざまな研究を行い、その成果は多くの人々に影響を与えました。特に彼の専門分野はバッタ類であり、昆虫の分類や生態に関して深い知識を持っていました。彼は東京都立大学で教授として長いキャリアを積み、2004年には名誉教授として定年退官しました。

学歴とキャリアの歩み

山崎氏は東京教育大学理学部動物学科を卒業し、その後同大学院の博士課程に進みました。1968年には、「本州産高山性ヒナバッタ属昆虫の分類学的解析」というテーマで学位を取得しました。これは彼の研究の出発点となり、以降の学問的活動に大きな影響を与えました。

東京都立大学において、山崎氏は助教授及び教授として数多くの学生を指導し、昆虫学の発展に寄与しました。彼の定年退官後も名誉教授として研究を続け、昆虫学の権威としての地位を確立しました。そして、1992年には『鹿野忠雄』で日本エッセイストクラブ賞を受賞し、さらに2017年に受勲を受けるなど、その業績が評価されました。

著書と論文

彼の著作には、主に昆虫に関するガイドブックや図鑑が多数あります。例えば、1975年に発表された『学研のはてなずかん 5 昆虫』や1977年の『学研の図鑑 33 世界の昆虫』は、昆虫の基本的な知識を提供するものであり、多くの読者に親しまれました。また、1979年には、絵本形式でバッタについて語る『とのさまばった』を出版し、子供たちにも昆虫の魅力を伝えました。

その後も彼の著書は続き、1981年には『講談社カラー科学大図鑑 A-28 バッタ・コオロギ』を出版。さらに、1992年には『鹿野忠雄 台湾に魅せられたナチュラリスト』を発表し、自然や環境に対する彼の深い理解と情熱が表れています。2019年には、遺作となる『昭和の作家 澁川驍 年譜・著作目録』を編著し、彼の生涯を振り返る重要な資料となりました。

翻訳の業績

山崎氏はまた、翻訳家としても活躍しました。彼は1998年に、世界的に著名な動物学の書籍『動物の生殖 新しい命の始まりを模型断面でみる』と『毒をもつ動物 自然が生みだした驚異の武器を模型断面でみる』を共訳しました。これらの作品は、一般の読者が動物の生態や生殖に関する知識を得る手助けとなっています。

最後に

山崎柄根は、昆虫学における卓越した業績と広範な知識を持つ研究者でした。彼の研究と著作は、昆虫に対する理解を深め、多くの人々にインスピレーションを与えるものでした。彼の影響は、今でも昆虫学の研究者や愛好家たちに受け継がれています。彼の業績は後世に残り、昆虫学の発展に寄与し続けることでしょう。

もう一度検索