山崎陽子 (歌手)

山崎陽子（やまざき ようこ）

山崎陽子（やまざき ようこ）は、多岐にわたる音楽活動で知られる日本の歌手です。静岡県富士宮市に生まれ育ち、音楽の道を志しました。学業においては、洗足学園音楽大学音楽学部を卒業し、専門的な音楽教育を受けています。彼女の活動はソロ名義に留まらず、夫である山崎孝と共に「wai-wai family」という音楽ユニットでも楽曲を発表しています。

経歴

山崎陽子のキャリアは1997年にソロ活動を開始したことから本格的にスタートしました。以来、彼女は日本の音楽シーンにおいて、数多くの著名アーティストの活動をサポートする重要な役割を果たしてきました。例えば、J-POP界の第一線で活躍する松田聖子、シンガーソングライターの松任谷由実、そしてタレント・歌手として活動するかとうれいこといったアーティストたちのライブ公演やレコーディングセッションに参加し、その歌声をコーラスなどで提供しています。

また、自身の歌唱経験や技術を活かし、音楽教育の分野にも携わっています。羽島ボーカルアカデミーではボーカル講師を務め、次世代の歌手育成に貢献しています。

彼女の歌声は、様々なメディア作品でも親しまれています。特に、ディズニー映画『ビアンカの大冒険』の日本語吹き替え版においては、主要な楽曲の歌唱を担当しました。具体的には、物語の始まりを飾るオープニング曲「ジャーニー」、感動的なフィナーレを彩るエンディング曲「明日を夢みて」、そして物語の展開を深める挿入歌「誰かが待っている」を歌っています。さらに、オートバックスモータースポーツの企業CMでも、2011年の「新しい感動」編、2012年の「心揺さぶる走り」編、そしてARTA編など、複数のCM楽曲の歌唱を担当し、力強く印象的な歌声を聞かせています。Panasonicのデジタルカメラ「LUMIX FX40」のTV-CFソングも手掛けています。

2003年からは、日本のポップカルチャーを牽引する歌手、浜崎あゆみのライブツアーにおけるコーラスメンバーとして参加し、そのパフォーマンスを支えました。チーム内ではコーラスリーダーも務め、歌唱面での中心的な役割を担いました。この時期のエピソードとして、「プリンセス」というニックネームで呼ばれるようになったことが知られています。この愛称は、マジシャンであるプリンセス天功のファンであった浜崎あゆみが名付けたもので、2004年に開催された大規模野外音楽フェスティバル「a-nation」でのメンバー紹介時に突発的に命名されたといわれています。また、浜崎あゆみの楽曲「decision」（2007年）のミュージックビデオにも出演しています。

夫である山崎孝との音楽ユニット「wai-wai family」としても積極的に活動を展開しています。このユニット名義では、これまでに2枚のオリジナルアルバムをリリースしています。初のアルバムとなる『HOMEMADE』は2018年7月7日に発表され、続く2ndアルバム『HOMEMADE II』は2019年6月23日にリリースされました。夫婦ならではの温かみのあるハーモニーと音楽性が特徴です。

近年では、デジタル配信によるシングルリリースも行っています。2021年8月14日には、オートバックス関連の楽曲を含む配信シングル『夢を叶えるために（AUTOBACS MOTOR SPORTS Medley 2021）』を発表しました。さらに、2022年10月29日には、過去に歌唱したディズニー関連楽曲のカバーとなる配信シングル『誰かが待っている SOMEONE's WAITING FOR YOU(cover)』をリリースしています。

出身地である静岡県富士宮市への貢献も特筆すべき点です。2023年からは、毎日午後4時に市内全域に放送される同報無線を通じて、山崎陽子が歌唱する富士宮市歌が流されています。これにより、彼女の歌声は日々の生活の中で多くの市民に届けられ、地元との繋がりを深めています。

山崎陽子は、ソロアーティストとしての活動、著名なアーティストのサポート、映画やCMにおける歌唱、音楽教育、そして夫とのユニット活動や地元への貢献といった、非常に多岐にわたる分野で活躍する歌手です。その歌声と活動は、長年にわたり日本の音楽シーンにおいて確固たる足跡を残しています。

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