山川雄巳

山川 雄巳（やまかわ かつみ）

山川雄巳は、1932年7月9日に徳島市で生まれ、2002年11月24日に逝去した日本の政治学者です。彼の学問的キャリアは、大学での幅広い職歴と多くの業績によって彩られています。

1940年代半ばに高校を卒業した山川は、1951年に京都大学の工学部に入学しました。しかし、3年後の1954年に法学部に転部し、政治学の道を歩み始めます。その後、彼は1960年に関西大学の法学部に助手として採用され、助教授や教授に昇進しながら教育に尽力しました。彼のキャリアの中で、1981年から1982年には法学部長を、1993年から1994年には大学院部長を務め、関西大学内でのリーダーシップを発揮しました。

山川はまた、日本の政治学界の発展に大きく貢献しました。1975年から1977年には日本平和学会の副理事長として活動し、さらに日本政治学会や日本選挙学会の理事を歴任しました。特に日本公共政策学会の創立発起人の一人としての役割は彼の業績の中でも重要です。1996年には同学会の初代事務局長に就任し、1998年には二代目会長としてその運営を担いました。

彼の学術的な影響は、多くの著書からも読み取れます。単著には『政治体系理論』（1968年）、『アメリカ政治学研究』（1977年）、『政策過程論』（1980年）、『政治学概論』（1986年、第2版1994年）、『政策とリーダーシップ』（1993年）、『シリーズ21世紀の政治学 数理と政治』（1998年）などがあります。

また、共著として（三宅一郎との合作）『アメリカのデモクラシー――その栄光と苦悩』（1982年）を出版しており、アメリカ政治に対する理解を深めるための貴重なリソースとなっています。

さらに、訳書に関しても彼の貢献は顕著です。カール・レーヴェンシュタインの『現代憲法論』を阿部照哉と共に訳した他、デイヴィッド・イーストンの『政治体系――政治学の状態への探求』や『政治構造の分析』を翻訳しています。

山川雄巳の研究は、現代の政治学の発展に多大な影響を与えたことは間違いありません。彼の専門知識と教育的貢献は、次世代の政治学者たちにとっての道しるべとなっています。多様な視点から政治を分析するための基盤を築いた彼の業績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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