山形小説家・ライター講座

山形小説家・ライター講座

山形小説家・ライター講座は、1997年から山形市で開催されている市民向けの文学講座です。この講座は、小説を中心に、多様な文章の技術を学べる場となっています。これまで多くの受講者がプロの作家としてデビューを果たし、地域の文学シーンに貢献しています。

講座の運営と歴史

この講座は、初代講師に直木賞を受賞した小説家・高橋義夫を迎え、遊学館でスタートしました。1999年からは市民の手による運営が行われ、2000年には書評家の池上冬樹が世話人に就任しました。彼は、2023年3月現在でもこの役割を担い、講座の運営を支えています。また、講座はさくらんぼテレビジョンや山形県生涯学習文化財団、さらに2018年からはpixivの協賛も受けています。

開催形態と内容

講座では、主にプロの小説家が講師として招かれます。これには、小説家の石田衣良、大沢在昌、村山由佳らが含まれており、文芸評論家や編集者の参加もあります。受講者は、物語を創作したい人に限らず、エッセイや詩を書きたい人、ただ読書を楽しみたい人など、幅広く受け入れています。入会するには申し込みと受講料の納入が必要で、参加者は20日前までに自身の作品を提出することで講評を受けられます。講座は通常毎月第4日曜日に開かれ、受講生同士の作品について意見を交換し合う場も設けられています。

世話人の池上氏は、「講師として呼ぶ作家や編集者は生徒同士の批評よりも優しい」と語り、指導の質に自信を持っています。

カリキュラムと実績

受講生からプロデビューを果たした作家は多く、柚月裕子や深町秋生、壇上志保などがその例です。特に柚月裕子は、大藪春彦賞受賞時に講師からの評価が作家を目指す動機になったと話しています。吉村龍一も、講座内で受けた厳しいフィードバックが役立ったことを語っています。受講生の中には、デビュー後も故郷山形で創作活動を続ける者が多く、地域文学の発展に寄与しています。

関連講座との関係

2010年に開始されたせんだい文学塾は、宮城県仙台市の仙台文学館で開催されており、山形小説家・ライター講座と姉妹講座の関係にあります。こちらも池上冬樹が世話人を務め、カリキュラムの一部が類似しています。

名称変更の背景

講座は2016年に名称を変更しました。これは、小説投稿サイト「小説家になろう」が商標登録を行った影響によるもので、19年間も同じ名称で運営していたため、その変更は大きな決断でした。新しい名称となった「山形小説家・ライター講座」は、今も地域の表現活動を支える重要な場となっています。

おわりに

山形小説家・ライター講座は、地域の文化を育むだけでなく、参加者がそれぞれの目標に向かって創作を続けるための支援を行っている貴重な場です。このような講座の存在が、今後も多くの作家やクリエイターを生むことを期待しています。

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