山形県県民会館

山形県県民会館の歴史と閉館

山形県県民会館（やまがたけんけんみんかいかん）は、山形県山形市に位置する多目的ホールで、県内で最大の規模を誇っていました。1962年に開館し、約57年間にわたり多くの文化・芸術イベントに利用されてきたこの施設は、地域住民にとって重要な文化の拠点でもありました。

建設の背景と設計

第二次世界大戦後、県民の生活が安定し、豊かな芸術文化を求める声が高まる中、山形県は1959年7月に「県民会館の建設計画」を策定しました。この計画は地域の文化的活動を支えるために不可欠なものであり、山下寿郎設計事務所が設計を担当し、大成建設が施工を行いました。

建物は地下1階、地上4階の鉄筋コンクリート造で、収容人数は約2000名の多目的大ホールと小講堂、さらには県立図書館も併設されました。また、当初の図書館は、後の遊学館のオープンに伴い、移転し利用されていました。

運営の変遷と老朽化

2009年4月からは指定管理者制度が導入され、ステージアンサンブル東北支社による管理運営が始まりました。同年に山形銀行が施設名に権利を持つようになり、愛称が「やまぎんホール」となりました。しかし、施設の老朽化が進み、県は1992年から新たな文化施設の計画を検討し始めます。にも関わらず、様々な理由から計画は幾度も見直され、2005年には当初の計画が凍結されセンターの継続利用が決定されました。

その後、耐震補強や内装改修工事が行われ、機能の改善が図られましたが、音響面での懸念も残る状態が続きました。2014年には再び新文化施設の概要が策定され、2016年には具体的な設計方針が示されました。

新しい文化施設の開館

山形県県民会館は、2019年11月30日に閉館し、新たに「やまぎん県民ホール」（山形県総合文化芸術館）が2019年12月1日にプレオープンしました。最終イベントとなる「ユニコーン100周年ツアー“百が如く”」で盛況に幕を閉じ、多くのファンに惜しまれながら歴史に幕を下ろしました。

2018年度の完成を予定していた新しい文化施設は、建設業界の影響により工期が延びることとなりました。しかし、これによって山形市の文化振興に新たな力が加わることが期待されています。

施設概要とアクセス

県民会館には、定員1496名の大ホールがあり、多種多様なイベントに利用されていました。他には地下講堂、展示室、会議室が備わり、地域の文化活動の拠点としての役割を果たしていました。

アクセスは、JR山形駅から車で約10分、または市内の循環バスを利用することで容易に訪れることができました。

このように、山形県県民会館は地域の文化や芸術を支えてきた重要な施設でしたが、新たな文化への移行を果たし、今もなお市民に愛される存在の一部となっています。

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