山形県立山形工業高等学校

山形県山形市に居を構える山形県立山形工業高等学校は、「山工（やまこう）」の愛称で地域に広く親しまれている県立の専門高校です。

沿革

大正9年（1920年）、山形県立山形工業学校としてその歴史の第一歩を踏み出しました。戦後の教育制度改革に伴い、一時的に山形県立山形第三高等学校と称された時期がありましたが、昭和25年（1950年）には現在の山形県立山形工業高等学校へと校名が戻されました。近年では、教育環境の整備が積極的に進められ、平成28年（2016年）には学習の場である東棟・西棟が、平成30年（2018年）には運動施設の中心となる体育館・武道館といった新しい校舎施設が次々と完成し、学び舎は装いを新たにしました。

歴史的な節目も迎えており、平成22年（2010年）に創立90周年を祝い、その10年後の令和2年（2020年）には記念すべき創立100周年を迎えました。また、学校の学期制度に関しては、平成20年（2008年）4月から2学期制を導入した時期もありましたが、平成22年（2010年）4月からは再び3学期制へと移行し、現在に至ります。

教育課程と設置学科

現在、本校では全日制課程が設置されており、現代社会と産業の基盤を支える多様な工業分野を専門的に学ぶことができます。設置されている学科は以下の通りです。

- 機械技術科：ものづくりの根幹となる機械に関する技術や知識を習得します。
- 電気電子科：電気エネルギーや電子回路、通信技術といった分野を深く探求します。
- 情報技術科：プログラミングやネットワーク、情報システムなど、高度情報化社会に対応する技術を学びます。
- 建築科：安全で快適な建物を設計・施工するための知識と技術を身につけます。
- 土木・化学科：社会基盤を支える土木技術と、物質の性質や利用に関する化学の知識を学びます。

これらの学科を通して、各分野の専門家として将来活躍するための基礎をしっかりと築き上げます。

部活動と研究活動

学業に加え、生徒たちの人間的な成長を促す多様な課外活動が非常に活発に行われています。運動部では、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、柔道、剣道、弓道、ソフトテニス、テニス、卓球、バドミントン、ハンドボール、陸上競技、水泳、山岳、スキー、空手道といった、球技から武道、アウトドアまで幅広い競技に取り組むことができます。

文化部も充実しており、絵画、演劇、文芸、写真、吹奏楽、科学など、生徒たちの創造性や知的好奇心を刺激する活動が行われています。さらに、将棋、ボランティア、イングリッシュクラブ、新聞、放送といった愛好会活動に加え、機械システム研究会、電子システム研究会、情報システム研究会、建築システム研究会、環境システム研究会といった専門分野に特化した研究会も活動しており、より専門的な探求や実践の機会が提供されています。

特色ある取り組みと周辺環境

本校は、情報処理技術者育成に力を入れており、国家資格である基本情報技術者試験（FE）の午前科目免除制度の認定校に指定されています。これは、高度な情報教育の質が認められたものであり、山形県内の高等学校としては、酒田光陵高等学校と並んで数少ない事例です。

また、学校は山形県立山形東高等学校に隣接しており、学内施設の一部を共有するなど、近隣校との連携も見られます。さらに、宮城県との県境にある笹谷峠には、通称「山工小屋」と呼ばれる山小屋があり、本校がその管理を担っています。これは、学校が地域や自然環境とも深く関わっていることを示すユニークな事例です。

アクセス

学校への主なアクセス手段は、JR北山形駅から徒歩で約25分、または山交バスを利用し「千歳公園待合所」バス停から徒歩約5分です。

山形工業高等学校は、長い歴史と伝統を大切にしながら、常に時代の変化に対応した教育を展開し、地域社会の発展に貢献する技術者・職業人の育成を目指しています。

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