山本俊嗣

山本俊嗣：日本ラグビー史に名を刻んだキックの名手

山本俊嗣氏は、1964年生まれの福岡県出身の元ラグビー選手である。身長182cm、体重85kgの恵まれた体格を活かし、日本代表として国際舞台を経験した。小学校時代からラグビーに親しみ、その卓越したキック技術は、後に彼の大きな武器となる。

ラグビーへの情熱：幼少期から社会人時代まで

山本氏のラグビー人生は、小学校5年生から始まる。地元のクラブチーム「引津リトルラガーズ」でラグビーを始め、暇さえあれば校庭でキックの練習に励んだ。中学時代はバスケットボール部に所属しながらも、ラグビースクールに通い、楕円球を追いかける情熱を燃やし続けた。

Fukuoka県立糸島高等学校ではスタンドオフとして活躍。花園出場とは縁がなかったものの、持ち前の才能を開花させる。福岡大学時代は、強豪校・福岡工業大学の沖土居稔氏らライバルとの激しい戦いを経験する。4年生の時には、チームのエースの日本代表招集という幸運な機会を活かし、九州大学リーグを制覇。念願の全国大学選手権への出場を果たした。大学選手権では1回戦敗退という結果に終わったものの、強豪明治大学相手に善戦し、21-33という接戦を演じたことは記憶に残る。

大学での活躍が認められ、4年生から日本代表候補合宿に招集される。そして、サントリーに入社。当時の監督であった山本巌氏の指導の下、フルバックに専念。社会人になってからの山本氏は、持ち前のキック精度と、堅実なディフェンスでチームに貢献する。

日本代表としての活躍とスコットランド戦

1988年秋、念願の日本代表キャップを獲得。翌1989年には、歴史的勝利を収めたスコットランド戦に出場する。この試合では、キックオフでボールの芯を外すというアクシデントもあったものの、相手の反則から得たペナルティーキックを確実に決めるなど、持ち前のキック技術を発揮した。試合後、その太ももを評されるほどのキック力は、幼少期からの地道な努力の賜物だったと語っている。

スコットランド戦におけるディフェンス面での活躍も印象的だった。これは、サントリー入社後、フルバックとして培ってきた経験と鍛錬の成果と言えるだろう。

プレースタイル：正確なキックと堅実なディフェンス

山本氏のプレースタイルは、正確なキックと堅実なディフェンスに特徴がある。自身は足が遅いことを自認していたものの、相手キックに対するフィールディングとタックルには定評があった。特に、正確で力強いキックは、彼の大きな武器であり、数々の好プレーを生み出した。

まとめ

山本俊嗣氏は、幼少期からの努力と持ち前の才能で、日本ラグビー界に貢献した選手である。正確なキックと堅実なディフェンスを武器に、日本代表として国際舞台で活躍。スコットランド戦での勝利は、日本ラグビー史に残る金字塔として輝き続けるだろう。彼のラグビー人生は、多くの後輩選手にとって、大きな刺激と勇気を与え続けるに違いない。

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