山本吉人

山本吉人（やまもと よしと）

プロフィール

山本吉人氏は、1929年5月17日に山口県で生まれ、2002年12月12日に虚血性心不全のため逝去されました。日本の著名な法学者であり、茨城大学名誉教授の称号を持っていました。専門は労働法であり、特に雇用形態や労働時間に関する研究で知られています。

学歴と職歴

早稲田大学を卒業後、茨城大学で助教授、教授を歴任しました。1993年に茨城大学を定年退官し、名誉教授の称号を受けました。その後、法政大学教授に就任し、2001年に退職するまで教鞭を執りました。1979年には、早稲田大学から法学博士号を授与されています。博士論文のテーマは「雇用形態と労働法・労働時間制の法理論」であり、このテーマが示すように、労働時間や雇用形態に関する法的な研究に力を注ぎました。

研究分野

山本氏の研究は、労働法の中でも特に以下の分野に焦点を当てていました。

雇用形態と労働法: 非正規雇用を含む多様な雇用形態がもたらす法的課題について研究しました。
労働時間制: 労働時間管理のあり方や、労働時間に関する法的規制について深く掘り下げました。
育児休業法: 育児休業に関する法的枠組みやその運用について研究し、労働者の権利保護に貢献しました。

著書

山本氏は、労働法に関する数多くの著書を執筆しました。これらの著書は、労働法の理論的発展に貢献するだけでなく、実務家にとっても非常に有益なものでした。

主な著書

『雇用形態と労働法 労働基準法の研究 上』
『労働時間制の法理論 労働基準法の研究 中』
『労働法 事例が教える法律知識』
『官公労働法入門 職場で生かせる法律知識』
『学校と教師の労働法』
『楽しく学ぶ自主点検・労働法講座 基礎から応用まで180項』
『労使紛争の解決手続』
『労働時間の実務と法理 判例・行政解釈にみる運用基準』
『現代労働基準法の課題と改正問題 労働条件紛争の解決基準』
『女子労働法制 現代労働法学の課題』
『事例が教える労働法』
『育児休業法 活用のポイント』
『労働委員会命令と司法審査』
『労働時間』

共編著

『労働基準法の基礎』（青木宗也共編）
『労働法の実務相談』（青木宗也,竹下英男共編著）
『実務労働時間法 労働時間法の構造をわかりやすく解説』（編著）

これらの著作を通じて、山本氏は労働法の理論と実務の両面から大きな影響を与え、日本の労働法研究の発展に大きく貢献しました。

業績

山本吉人氏の業績は、その研究内容の深さと実務への貢献度において高く評価されています。特に、労働時間や雇用形態に関する研究は、労働法改正の議論において重要な役割を果たしました。また、育児休業法の研究を通じて、労働者のワークライフバランスの実現に貢献しました。

晩年

2002年12月12日、山本氏は虚血性心不全のため逝去されましたが、その遺志は後進の研究者や実務家によって受け継がれています。山本氏の著作は、現代の労働法を学ぶ上で不可欠な資料として、今もなお多くの人々に活用されています。

参考資料

47news 「山本吉人氏死去 元法政大教授」
法学志林 「山本吉人教授略歴・業績一覧」

もう一度検索