山本書店

株式会社山本書店の概要

株式会社山本書店（やまもとしょてん）は、日本の出版社であり、主に聖書関連書籍を多数出版してきた企業です。この出版社は、評論家でキリスト教徒であった山本七平によって設立されました。彼の評論活動が広まる以前の1956年に、世田谷の自宅内で山本書店は誕生しました。山本七平が他界した後は、彼の妻である山本れい子が店主を引き継ぎましたが、2007年の3月31日に閉店することとなりました。

設立と歴史

株式会社山本書店は、1956年に設立され、1958年には『歴史としての聖書』を出版。この時点で、聖書学関連の書籍を中心とした経営方針が確立されました。1963年には、自宅に書店のための倉庫が完成しましたが、同年10月には書店が火災で全焼し、一時的に一橋書店の二階で仮営業を行うこととなります。1964年には新宿区市谷本村町に移転し、山本の自宅は神奈川県鎌倉市に新築されました。

1970年には、イザヤ・ベンダサン著の『日本人とユダヤ人』が刊行され、これがベストセラーになるなど、山本書店の名を広めました。1971年にこの作品は第2回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞し、さらにその後も次々と多くの影響力のある書籍を出版していきます。

1991年には『希和対訳脚注つき新約聖書』が17年の歳月をかけて完成し、同年の12月には創業者の山本七平が亡くなり、妻のれい子が店主として事業を続けました。その後、1996年には家族共著の『山本家のイエス伝』、1997年には『山本七平と行く聖書の旅』と、山本書店は聖書に関連した書籍を次々と刊行しました。

2000年には『宗教からの呼びかけ』も出版され、長きにわたり多くの著作が世に出されました。しかし、2007年に至り、山本書店は閉店し、その間に刊行した書籍の版権は他の出版社に移譲されました。ただし、残された出版物はキリスト教系の教文館に譲渡されることとなりました。

代表的な刊行書籍

山本書店では多様な書籍が発行されましたが、その中でも特に代表的なものには、次のような著作が含まれます。1957年には石橋丑雄著の『天壇』、1958年にはウェルネル・ケラー著、山本七平訳の『歴史としての聖書』、1962年から1991年にかけて刊行された『聖書学論集』シリーズや1963年の『死海文書』、1965年に出版された『ギルガメシュ叙事詩』など、宗教や歴史に関連する著作が多くあります。

他にも、1970年にイザヤ・ベンダサン著の大ヒット書籍『日本人とユダヤ人』、1971年に岩隈直著の『新約ギリシヤ語辞典』、1986年には秦剛平訳の『エウセビオス 教会史』など、数々の重要な作品が刊行されています。

結び

株式会社山本書店は、創業者山本七平の思想と信念を基に、多くの知識と教養を提供する役割を果たしました。その幅広い書籍のラインナップは、キリスト教や歴史学に興味を持つ人々にとって貴重な存在であり続けました。その歴史の中で、数多くの評価の高い出版物を残し、今日に至るまで影響を与え続けています。

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