山本清 (テキスタイルデザイナー)

山本清：日本のテキスタイルデザインを牽引する巨匠

山本清氏は、1949年大分県別府市生まれのテキスタイル・サーフェスデザイナーです。日本のテキスタイルデザイン界において、長年にわたる活動と卓越した才能で広く知られています。東京造形大学デザイン学科テキスタイルデザイン専攻卒業後、株式会社粟辻博デザイン室を経て、1976年に山本清デザインスタジオを設立。その後、1989年には株式会社山本清デザインスタジオを設立し、2023年には株式会社を解散、現在は「山本デザインオフィス」として活動を継続しています。

華麗なるキャリアと数々の受賞歴

山本氏のキャリアは、多岐にわたる活動と輝かしい実績で彩られています。数多くの個展やグループ展への参加に加え、国内外の著名な展覧会にも積極的に作品を出展。代表的な展覧会としては、1981年の「山本清プリントテキスタイル展」(新宿小田急)、1986年の「山本清「ラプソディー展」」(AXIS)、2001年の「A-WALL(アウォール)阿波紙展」(松屋銀座)などが挙げられます。国際的な舞台でも活躍し、インターツム'85展(西独)、Today's Japan Exhibition(カナダ)、メゾンドオブジェ展(フランス)などに参加。その才能は国境を越えて高く評価されています。

その功績は、数々の受賞歴にも表れています。1981年にはデザインフォーラム展を受賞、2007年には経済産業省「ものづくり日本大賞」を受賞するなど、日本のデザイン界における重要な貢献が認められています。2008年にはグッドデザイン・日本商工会議所会頭賞を受賞。これらの受賞歴は、山本氏のデザインに対する情熱と高い技術力を示す証となっています。さらに、1996年には作品がカナダ国立科学技術博物館に永久保存されるという栄誉にも輝いています。

教育者としての顔

山本氏は、デザイナーとしての活動に加え、教育者としても活躍しています。元宝仙学園短期大学学科長教授、女子美術大学客員教授、大学院客員教授を務め、後進の育成にも尽力。日本テキスタイルデザイン協会理事、日本テキスタイルカウンシル理事などを歴任し、日本のテキスタイルデザイン界の発展に大きく貢献してきました。

多彩な作品と出版物

山本氏の作品は、その独創性と高い技術力で知られています。自然への深い洞察と、伝統的な技法と現代的な感性を融合させた独特のスタイルは、多くの人の心を魅了し続けています。また、数多くの著書や論文を発表しており、『染色』(日本手芸センター)、『テキスタイルと造形 サーフェスの視点から』(六耀社)、『建築サーフェス材』(美術出版社)など、その活動は多岐に渡ります。これらの出版物は、日本のテキスタイルデザイン界に多大な影響を与え、後世に残る貴重な資料となっています。2009年には『JTC アーカイブス 日本の染織・テキスタイルデザイン』(用美社)にも作品が掲載されています。

未来への展望

山本清氏の活動は、日本のテキスタイルデザインの歴史に大きな足跡を残しています。今後も「山本デザインオフィス」を通じて、その豊かな創造性と経験を生かし、日本のデザイン界をさらに発展させていくことでしょう。氏の今後の活動にも期待が高まります。

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