山本達彦

山本達彦の音楽キャリアと影響

山本達彦（やまもと たつひこ）は、1954年に東京で生まれた日本のシンガーソングライターであり、シティ・ポップ界において重要な存在です。彼は幼少期から音楽に触れ、特に東京少年合唱隊での経験が次のステップへと導くことになりました。2年生の時に参加した合唱隊は、1964年の北米親善旅行を経て、現在の東京少年少女合唱隊に進化しました。このツアーでは、エド・サリヴァン・ショウに出演するなど、早くから大舞台での経験を積んでいました。

大学に進学した後、山本は「オレンジ」というバンドを結成します。このバンドは日本テレビのアマチュアバンドコンテストで優勝し、ロンドンでのレコーディングを果たし、「翼のない天使」でデビューを果たしましたが、バンド活動は思うように進まず、彼はかまやつひろしのバックバンドとしてキーボードとコーラスを担当しました。

1976年には「オレンジ」は解散し、山本はソロ活動に専念する決意をします。1978年には「突風〜SUDDEN WIND」で正式にソロデビューを果たし、以降、様々なレコード会社との契約を経ながら、音楽活動を展開します。2008年までには、34枚のシングル、28枚のオリジナルアルバム、15枚のベストアルバムなど多くの音源をリリースし、自主レーベル「Silence」を設立しました。

音楽スタイルと独自性

山本達彦は、「シティ・ポップ界の貴公子」と称されることが多く、そのスタイルの中には、ムード歌謡の要素やジャズの影響が色濃く反映されています。特に自身の楽曲「夏の愛人」からは、独特の雰囲気が感じられ、多くのファンを魅了しています。大学時代の同級生には政治家の安倍晋三やジャズギタリストの渡辺香津美がおり、彼との交流が音楽性に影響を与えたとも考えられています。

デビューシングル「突風〜SUDDEN WIND〜」の作詞には、著名な作家である伊集院静が関与しており、山本の楽曲作りに対する真摯な姿勢が伺えます。また、ジャズ好きの叔父の影響を受け、ジャズ風の楽曲も制作しており、その幅広い音楽性は、彼の魅力の一部と言えるでしょう。

メディア活動とパーソナリティ

音楽活動だけでなく、山本はラジオ番組『日石サウンド・ステーション〜山本達彦のCDセレクション〜』に出演するなど、多方面での表現活動を行っています。さらに、ライブではモノマネを披露することもあり、観客を楽しませる一面も持っています。中高時代はサッカー部に所属していたという彼は、音楽に対する情熱と努力に裏打ちされた実績を持つアーティストです。

【参考文献】

• - 山本達彦 30th.Anniversary Concert Book "Le Ciel" (2008年3月22日、於：九段会館) などの資料をもとに、彼の音楽の歴史や影響力を紐解いています。

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