山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場

山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場

概要

山梨県甲府市に位置する小瀬スポーツ公園内に存在する「JIT リサイクルインク スタジアム」は、陸上競技と球技が行える多目的競技場で、山梨県が所有し、山梨県スポーツ協会が運営管理を行っています。施設は1996年に開場し、甲府市内で数少ない第一種公認の陸上競技場としての役割を果たしています。2021年からは、パソコンサプライメーカーのジットに命名権が与えられ、現在の名称がつけられました。

歴史

この競技場は、1985年に建設が始まり、1986年には第41回国民体育大会の陸上競技と開閉会式の会場として利用されました。建設当時のコストを抑えるために、バックスタンドとサイドスタンドは傾斜の緩い芝生席となり、当初から夜間照明設備や屋根は設けられていませんでした。1996年には全国高等学校総合体育大会の開会式や陸上競技が行われました。

1999年からは、Jリーグチームのヴァンフォーレ甲府のホームスタジアムに指定され、Jリーグの開催基準を満たすために改修工事が行われました。これにより、バックスタンドにコンクリート造のスタンドが追加され、収容人数は増加。2004年には、フィールド改修が実施され、全天候型の芝生に張り替えられました。この改修により、年間を通じて緑を保つことが可能に。

2005年には、さらに観客席が拡張され、収容人数が17,256人に達し、J1リーグの試合も開催可能になりました。その後も、さまざまな改修が行われ、最新の映像装置や照明設備の導入が進められています。

施設の特徴

競技場は400メートルのトラックを持ち、8レーンで構成されています。フィールドは106メートル×70メートルの天然芝を使用し、多数の陸上競技と球技のイベントが開催可能です。収容人数は17,256席で、多目的施設としての機能を果たすために、すべての席が座席仕様となっています。

競技場内には、ロッカールームや放送設備、売店などが設置されており、観客に快適な環境を提供していますが、観客動員数が増加した際のトイレの数が不足するという課題も抱えています。

利用状況

この施設は、陸上競技、サッカー、ラグビーなど、さまざまなスポーツイベントに使用されており、ヴァンフォーレ甲府のホームゲームが行われています。また、全国規模の陸上競技大会や高校サッカー大会の開催地にも指定されています。

過去には、国民体育大会や全国高校総体などの大規模な体育イベントもここで開催され、多くの観客を集めました。特にサッカーの試合では、2006年には15,427人の観客を記録し、地域の関心を集めています。

現行の問題点

現在、競技場は老朽化が進んでおり、メインスタンドには大規模な改修が必要とされています。また、屋根がメインスタンドの一部にしか設置されておらず、観客にとっては観戦環境の改善が求められています。ファンや選手からは、より快適な観戦と競技環境が期待されており、新たに球技場の設置が要望されています。

さらに、競技場のトラックがスタンドから距離があり、球技観戦時には視界が妨げられるという問題も指摘されています。今後の改修計画や新設計画には、これらの課題を解決するための議論が求められています。

まとめ

小瀬スポーツ公園陸上競技場は、長い歴史を持ち、地域に密着したスポーツイベントの場として重要な位置を占めています。依然として多様な競技に対応している反面、老朽化や観戦環境の課題が存在するため、今後の改善が期待された施設です。

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