山田一仁

山田 一仁（やまだ かずひと）

1957年（昭和32年）1月1日生まれ。岐阜県岐阜市に育ち、写真家として広く知られています。国内外の様々な分野で活動し、特にスポーツ写真の分野で顕著なキャリアを築いています。日本人フリーランスのカメラマンとしてはただ一人、イングランドのプレミアリーグにおける撮影ライセンスを保有しているという稀有な存在です。また、地元クラブであるJ2リーグのFC岐阜でオフィシャルフォトグラファーを務めるなど、地域に根差した活動も行っています。

経歴

岐阜県に生まれた山田氏は、1975年に岐阜県立岐阜北高等学校を卒業後、千葉大学工学部画像工学科で専門知識を深め、1981年に卒業しました。大学卒業後、株式会社文藝春秋に入社し、写真部のスタッフカメラマンとして約8年間、そのキャリアの基盤を築きました。

1989年には語学研修のためイギリスのケンブリッジへ留学。この経験がその後の国際的な活動に繋がります。翌1990年からはフリーランスの写真家として独立し、多岐にわたる取材活動を開始しました。2007年には自身の写真事務所である有限会社Kaz Photographyを設立。そして2008年からはFC岐阜のオフィシャルカメラマンに就任し、チームの歴史を写真で記録し続けています。

主な取材活動

フリーランス転向後、山田氏は数多くの歴史的な出来事や国際的なイベントを現地で撮影しています。特にスポーツ分野での実績は豊富で、夏季・冬季合わせて複数のオリンピックを取材しました。

1984年 ロサンゼルスオリンピック
1988年 ソウルオリンピック、カルガリーオリンピック
1992年 バルセロナオリンピック
1994年 リレハンメルオリンピック
1998年 長野オリンピック
2000年 シドニーオリンピック

また、サッカーのFIFAワールドカップも精力的に取材しており、多くの大会で熱戦をレンズに収めています。

1990年 イタリア大会
1994年 アメリカ大会
1998年 フランス大会
2002年 日韓大会
2006年 ドイツ大会
2010年 南アフリカ大会
2011年 女子ドイツ大会
2014年 ブラジル大会
2018年 ロシア大会
2022年 カタール大会

スポーツイベントに加え、世界の重要な政治的・社会的な出来事にも立ち会っています。

1989年 ベルリンの壁崩壊
1989年 ルーマニア革命
1991年 旧ソビエト連邦のクーデター未遂
1993年 ロシア騒乱（モスクワ騒乱）
1995年 チェチェン紛争

これらの取材は、写真家としての幅広い視野と行動力を示しています。

著書

山田氏の著書には、自身の経験に基づいた作品があります。

『自分の力を試したい―フォト・ジャーナリスト山田の冒険』（文藝春秋、1999年） - フォトジャーナリストとしての活動や冒険について綴った一冊です。
* 『欧州スター30人の「カミワザ」全解析』（講談社、2009年） - サッカー選手の技術に焦点を当てた作品で、スポーツ写真家としての視点が活かされています。

プレミアリーグのライセンス保有者として、またFC岐阜のオフィシャルフォトグラファーとして、現在も第一線で活動を続けています。その経歴は、日本の写真界における国際的な活動とスポーツ写真の歴史において重要な位置を占めています。

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