山田勇 (経済学者)

山田 勇（やまだ いさむ）

概要

山田勇は、1909年8月12日に生まれ、1986年4月26日に亡くなった日本の経済学者および統計学者です。彼は一橋大学から経済学博士の学位を取得し、生涯を通じて日本の経済学および統計学の発展に寄与しました。名誉教授としての貢献や、日本統計学会の会長を務めた経験からも、彼の影響力が伺えます。

学歴と初期のキャリア

山田は愛知県に生まれ、名古屋商業学校を卒業した後、1928年に名古屋高等商業学校（現在の名古屋大学経済学部）を卒業しました。その後、1940年には東京商科大学（のちの一橋大学）の研究員となり、1942年には助教授に昇進しました。戦時中は、南方軍政への協力として調査部に配属され、地域の家計調査や農村調査に従事しました。特に、シンガポールやマラヤでの調査は、戦後の日本経済における統計学への理解を深める契機となりました。

戦後の活動

戦後、山田は1945年に日本統計学会の理事および評議員として活動を開始し、1950年から1968年まで日本計量経済学会の理事を務めました。1950年には一橋大学の教授に就任し、経済研究所での研究に専念しました。1961年には、研究業績として「産業連関分析の理論および計測」で経済学博士の学位を取得しました。

主な業績

山田の学術的な功績は特に計量経済学、国民経済計算、産業連関分析に関連しており、これらの分野において多数の著作と論文を発表しました。著書には『経済通論』や『産業連関の理論と計測』があります。また、彼はW.J.ボーモルの『経済動学序説』やJ.E.ミードの『経済成長の理論』の監訳も手掛けました。これらの業績により、彼は日本の経済学界において重要な地位を築きました。

教育者としての影響

山田はまた、教育者としても多くの学生を指導しました。彼の指導を受けた有名な学生には、一橋大学名誉教授の山澤逸平や千葉大学名誉教授の島久代などがいます。これらの学生たちも、山田の教えを受け継ぎ、日本の経済学界に貢献しています。

受賞歴と栄典

1973年には一橋大学名誉教授の称号を受け、1975年には日本統計学会の会長に選ばれるなど、その業績が広く認められました。彼の業績は、日本の統計学や経済学の枠を超えて国際的にも評価されています。

晩年と遺産

1986年、山田は亜細亜大学での教職を辞し、同年4月26日に成功裏にこの世を去りました。彼の研究や著作は今なお、多くの研究者の参考文献として活用されており、その影響は健在です。日本の計量経済学に多大な貢献をした彼の業績は、後世にも多くの教訓を与えています。

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