山田去暦

山田去暦の生涯と歴史的背景

山田去暦（やまだ きょれき/これき、生没年不詳）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活動した武将で、彼の人生は多くの歴史的背景を反映しています。父は徳川家康の幼少期の手習いの師だった山田宗純であり、彼は宗純の三男として生まれました。去暦は、家伝の教えを受けながら成長し、本能寺の変後に信長の家臣の一人となり、石田三成に仕官することとなります。

家系と知行

去暦の家族は、歴史的な重要性を持つ家系に属しています。本姓は橘氏で、その遠祖は左大臣の橘諸兄とされ、さらに楠木正成につながると言われています。彼の家紋には「丸に橘」と「菊水」が用いられています。彼の兄、山田宗重は徳島藩に仕官し家老となるなど、家族全体が戦国時代を生き抜いた武将として知られています。

去暦自身は、関ヶ原の戦いが起こると石田方に加わり、美濃の大垣城の守備を担当しました。しかし、現実には彼は佐和山城にいたという説もあります。この戦いは、彼の人生において重要な転機となります。

関ヶ原の戦いと籠城戦

1600年に勃発した関ヶ原の戦いでは、去暦は石田方として出陣しました。しかし、戦局が不利となると大垣城は徳川方による攻囲戦に見舞われました。城内には去暦の家族がいたものの、落城の危機が迫る中、彼らは逃げることを決意します。徳川方の武将から、彼の父である宗純が家康の師であったことを理由に逃げる際は見逃すという矢文が届いたのです。

この知らせを受けて、去暦は夜中に家族とともに城を脱出しました。逃げる途中、驚くべきことに妻が出産を迎え、女児が生まれました。これは去暦の家族にとっての新たな希望の象徴であり、この物語は『おあん物語』として語り継がれています。

土佐への移住と後の生活

去暦は、その後、山内一豊の家臣である親族雨森氏康のもとを訪れ、1601年に土佐国に移住します。ここで、去暦の嫡子である山田助丞は一豊に仕官しました。去暦の家族はこの地で新たな生活を始め、後に土佐藩で活動を続けます。

家族と子孫

山田去暦の家族については、妻ほか数名の子供が存在しました。嫡男の山田助丞は土佐藩の武士として活動し、子孫には同様に武士の家系が続いています。特に孫の山田清次はこの系譜の中で重要な人物となります。

また、彼の長女おあんは、雨森氏行の妻となり、家族の新たな歴史を築きました。去暦の人生は彼の家族や子孫によって語り継がれ、武士としての運命と戦いがどのように彼の人生に影響を与えたのかを映し出しています。

去暦の物語は、彼自身の戦いだけでなく、彼の家族がどのように政変の波を乗り越え、新たな時代を迎えたのかという広がりのある物語でもあります。

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