山田和也 (映画監督)

山田 和也（やまだ かずや）は、1954年に高知県須崎市で生まれた、日本のドキュメンタリー映画監督、テレビ演出家です。

東京農業大学農学部を卒業後、アメリカへ渡り、テンプル大学芸術学部でラジオ、テレビ、映画について学びますが、後に中退。その後、ニューヨーク大学のコンティニューイングエデュケーションで映画制作コースを修了し、映像制作の基礎をさらに深めました。

帰国後の1983年から1985年にかけては、日本テレビの契約ディレクターとして、主にドキュメンタリー番組の制作に携わります。この期間にテレビの世界で演出家としてのキャリアを積み重ねました。1986年にはフリーランスとして独立し、テレビ番組を中心に活動を続けました。

1996年からはテレビディレクターとしての活動と並行して、ドキュメンタリー映画の監督としても創作を開始します。初期の作品としては、阪神・淡路大震災後の神戸を描いた記録映画『好きなんやこの町が〜1995・神戸・ある避難所の記録〜』（1996年）があります。社会の出来事や人々の暮らしに寄り添う視点は、その後の作品にも通底しています。

1999年には、CSスカイパーフェクトTVで放送された『障害者イズム〜車椅子の戦争〜』を演出し、この作品は郵政大臣特別賞を受賞しました。同年、テレビ東京の開局35周年記念番組として、中国チベット自治区の奥地を捉えた『ココシリ・奥チベットの青く透明な大地』も手掛けています。また、探検家・関野吉晴氏による壮大な旅を記録した『グレートジャーニー人類5万年の旅』シリーズ（第5〜8部、1999年〜2002年）の制作にも携わりました。

2003年には、『障害者イズム』シリーズの続編となる記録映画『障害者イズム〜このままじゃ終われない〜』を発表。この作品は、キネマ旬報文化映画ベストテンに選出され、韓国障害者映画祭にも招待されるなど、高い評価を受けました。2004年にはNHKハイビジョン特集『世界自然遺産を行く サバンナの大水煙〜アフリカビクトリアの滝〜』で、壮大な自然の風景を捉え、NHKハイビジョン特集年間賞金賞を受賞しました。

2006年に発表した記録映画『puujee』（プージェー）は、モンゴルの遊牧民の家族と少女の姿を追った作品で、山田監督の代表作の一つとなりました。この作品は、国内外で多くの賞を受賞し、国際的な注目を集めました。具体的には、2007年に韓国EBSインターナショナルドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞したほか、EARTH VISION第15回地球環境映像祭 環境映像部門で入賞、キネマ旬報文化映画ベストテンで第3位に選ばれています。さらに、2008年にはサンダンス映画祭（アメリカ）に公式ノミネートされ、第11回シネマビアンテ国際ドキュメンタリー映画祭（イタリア）ではグリーンクロス特別賞とトリノ学生自治委員会特別賞をダブル受賞、グリーンフィルムフェスティバルインソウル（韓国）でも審査員賞と観客賞をダブル受賞しました。2009年にも、ニューアジアフィルムフェスティバル（カナダ）で観客選考賞、インターナショナルファミリーフィルムフェスティバル（アメリカ）でBest Feature Foreign Documentaryを受賞するなど、国境を越えてその質の高さが認められました。

その後も、関野吉晴氏と共に『新グレートジャーニー 日本人の来た道・南方ルート〜ヒマラヤ・日本15000キロ〜』（2006年〜2008年）を手掛けるなど、精力的に活動を続けています。山田和也監督は、社会的な視点、自然への敬意、そして人間の営みを見つめる温かい眼差しをもって、数多くのドキュメンタリー作品を生み出し、映像表現を通じて多様な世界の現実を観る者に伝えています。

主な関連人物として探検家の関野吉晴氏が挙げられます。また、監督が深く関わったプロジェクトとして「グレートジャーニー」シリーズがあります。監督の活動に関する情報は、映画『障害者イズム〜このままじゃ終われない〜』公式サイトや映画『puujee』公式サイトなどで見ることができます。

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