山田昌

山田昌（やまだ まさ）: 日本の女優の軌跡

生年月日: 1930年5月12日
没年月日: 2024年6月16日
出身: 愛知県常滑市

山田昌は、日本の名女優として長年にわたり活躍してきた。彼女は愛知県常滑市に生まれ、常滑焼の窯元で育った。生母とは幼少期に死別し、彼女の人生には多くの試練があったが、19歳までの間、故郷での生活が彼女の基盤となった。その後、彼女は再婚した俳優の天野鎮雄と共に、演技の道を追求することになる。

1949年、山田はNHK名古屋放送劇団に入団し、そこでキャリアをスタートさせた。1985年には、自らが創設した劇団「劇座」の代表として、演劇の世界へ新たな風を吹き込むことになる。この劇団でも付属の俳優養成所「名古屋劇塾」の立ち上げに尽力し、数多くの才能を育て上げた。

特にテレビドラマ『銀河テレビ小説』シリーズでは主演を務め、その才能を広く知らしめることに成功した。中でも1989年から始まった『名古屋嫁入り物語』シリーズでは、植木等と共演し、名古屋弁を駆使して花嫁の両親役を演じた。彼女は名古屋弁を独自のスタイルで使いこなすことに誇りを持ち、その際に「放送用名古屋弁山田流家元」を名乗るほどだった。クリーンな言葉遣いを心掛けたことで、自然体での演技が視聴者の心を掴んだ。

また、平和活動にも熱心であり、地人会が主催する朗読劇『この子たちの夏 1945 ヒロシマ・ナガサキ』に長年参加し、戦争の悲惨さと平和の大切さを訴えるメッセージを届け続けた。特に、原爆の経験者やその遺族の話を基にした演技は多くの人々に感動を与え、共感を呼んだ。

2021年には、名古屋市の市長選でのリコール運動に関連したドキュメンタリー『大名古屋狂詩曲―総理を狙う男と、民主主義』で名古屋弁によるナレーションを手がけ、地元の問題にも触れる一端を担った。

2023年11月、長年連れ添った夫、天野鎮雄を失った後、山田昌は心の支えを失ったが、その後も演技活動を続けた。しかし、2024年6月16日、名古屋市の老人ホームにて、肝細胞がんにより94歳で生涯を閉じることとなった。

主な出演作品

テレビドラマ

• - 潮騒（1963年、NHK）
• - 銀河テレビ小説
• - 坂の上の家（1973年）- とみ子役
• - おしん（1983年～1984年）- よし役
• - 名古屋嫁入り物語（1989年～1998年）全10作
• - 真田丸（2016年、NHK）- なか役（豊臣秀吉の母）

映画

• - 黒い雨（1989年）
• - カンゾー先生（1998年）

舞台

• - はなれ瞽女おりん（地人会公演）
• - やっとかめ探偵団（劇座公演）

このように、山田昌は日本の演劇界に大きな影響を与えた女優であり、その存在は今もなお多くの人々に記憶されている。彼女の歩みは、演技を通じて人々に感動を与え、平和のメッセージを伝えるものであった。

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