山田正彦 (実業家)

山田正彦の生涯と業績

山田正彦（やまだ まさひこ）は、1914年1月17日に長野県諏訪郡長地村（現在の岡谷市）で誕生しました。彼は日本の実業家であり、三協精機製作所（現・ニデックインスツルメンツ）の創業者として知られています。県内の学校を卒業後、早稲田大学法学部に進学し、同時にスピードスケート選手としても名を馳せました。早稲田大学には冬季オリンピックの日本代表選手が多く在籍しており、山田もその一員でした。

1946年、山田は弟の山田六一や小川憲二郎と共に三協精機製作所を設立しました。初期の頃は、精密電子部品やオルゴールの製造を手掛けており、1953年には株式会社に改組され、成長を続けました。1980年にはモスクワオリンピックへの日本のボイコットに賛成票を投じ、1984年にはサラエボオリンピック日本選手団の副団長を務めるなど、日本体育界にも多くの貢献をしました。

山田はまた、日本体育協会の理事や日本スケート連盟の会長も歴任し、インスブルックオリンピックで日本選手団の団長としてチームを指導しました。さらに、諏訪商工会議所の会頭や長野県経営者協会の顧問、日経連の理事、経団連評議会議員など、数多くの要職を務めてきました。これらの活動を通じて、彼は地域の発展や日本スポーツ界の攀昇に大いに寄与しました。

特筆すべきは、三協精機が富士電機の下請けに選ばれた際、山田は現金ではなく現物支給を受け取った経験です。彼は自ら東京の問屋を回り、営業をかけて会社の発展に寄与しました。この姿勢が、後に三協精機製作所が業界内で確固たる地位を築く土台となりました。

山田は1991年11月15日に77歳でその生涯を閉じましたが、彼の残した業績と精神は今も色あせることはありません。スピードスケートや企業の発展を通じて、日本の文化やスポーツに多大な影響を与え続けた彼の姿勢は、多くの人々の心に残り続けています。彼の人生は、努力と革新、そして奉仕の精神を象徴するものとして、多くの後進に引き継がれていくでしょう。

参考文献

• - 『現代信濃人物誌 10』 1972年
• - 宝月圭吾編 『長野県風土記』 旺文社、1986年
• - 『山田六一随想集 - 三協精機創業以来の思い出』 ビジネスコミュニケーション研究所、2003年

外部リンク

• - 日本電産サンキョースケート部
• - 世界トップのスピードスケート選手を輩出

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