山田航

山田航について

山田航（やまだ わたる）は、1983年8月22日生まれの日本の歌人で、札幌市の丘珠町出身です。彼は立命館慶祥高等学校を卒業後、立命館大学法学部で学びました。現在も札幌市に在住し、短歌の世界における重要な存在感を放っています。彼の活動は多岐にわたり、短歌誌「かばん」や「pool」に属し、札幌の短歌勉強会「アークの会」で仲間たちと共に台頭しています。

幅広い受賞歴

山田は2008年に同人誌「かばん」への参加を果たし、翌年には短歌のコンペティションである第55回角川短歌賞を受賞した「夏の曲馬団」を発表しました。また、2012年に初の歌集『さよならバグ・チルドレン』を発表し、この作品でも第27回北海道新聞短歌賞を受賞し、翌年には第57回現代歌人協会賞も受賞します。彼は創作活動のかたわら、数々の賞に輝き、その作品は短歌界で高く評価されています。

短歌に対する独自の視点

彼の短歌そのものに対する考え方は非常に強烈で、2015年に出版した編著『桜前線開架宣言』の後書きでは、「商業出版されている小説の9割は、自費出版されている歌集よりつまらない」という挑発的な見解を示し、また「21世紀は短歌が小説に勝つ」とも宣言しました。続く2021年には朝日新聞に短歌についてのコラムが掲載され、その中で彼は文章の重要な要素としてリズムや音韻を挙げ、小説よりも映像作品の方が支持されている現状についても触れています。このような姿勢から、山田は短歌の新しい可能性を探る先駆者の一人と見なされています。

主な著書

彼の代表的な著作には、歌集『さよならバグ・チルドレン』（2012年）、『水に沈む羊』（2016年）、エッセイ集『ことばおてだまジャグリング』（2016年）などがあります。これらの作品は、彼の独特な感性や言語への深い理解を反映しており、読者を引き込む魅力に溢れています。また、穂村弘との共著による『世界中が夕焼け―穂村弘の短歌の秘密』（2012年）も、彼の文学的探求の一端を示しており、注目されています。

研究活動

山田は短歌の創作においてだけでなく、研究活動にも積極的です。2016年からは北海学園大学大学院文学研究科で学んでおり、短歌や文学理論の深化を求め、新たな創作へとつながる知識を蓄積しています。大学院では、指導教授の田中綾のもとで研鑽を積み、2018年に修了しました。

結論

山田航は、短歌という形式を利用して自身の思想を表現し続ける現代の歌人です。彼の作品や考え方は、短歌の可能性を広げるものであり、今後の活動にますます期待が寄せられています。

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