山科誠

山科誠：おもちゃ業界の革新者、その生涯と業績

山科誠（やましな まこと）は、1945年生まれの実業家、小説家であり、かつてバンダイの社長、日本BS放送の社長を歴任しました。柔道3段の腕前を持ち、現在は株式会社Long Tail Live Stationの代表取締役CEOとして活躍しています。2017年には旭日中綬章を受章しました。慶應義塾大学経済学部を卒業しています。

バンダイ入社までの道のり

山科誠は、バンダイの創業者である山科直治の長男として石川県金沢市に生まれました。幼少期から文筆家を志し、家業を継ぐことには関心がありませんでした。しかし、小学館での営業経験を通じてビジネスの知識を深め、1969年にバンダイに入社することになります。

バンダイでの活躍

入社後、山科誠は輸出部で才能を発揮し、米トンカ社との提携を実現させます。その後、経営の多角化を推進し、玩具自動販売機事業や出版事業などを展開しました。1980年には35歳でバンダイの社長に就任。「脱おもちゃ屋」を掲げ、玩具産業全体の構造改革を目指しました。

ガンプラの成功

社長就任後、ガンプラが爆発的なヒットを記録。「機動戦士ガンダム」の商品化交渉では、当初ヒットを予想していなかったものの、結果として会社の業績を大きく押し上げました。

海外展開と経営多角化

海外展開にも力を入れ、フランスでのアニメブームを足掛かりに、世界市場への進出を試みました。また、映像事業にも参入し、ディズニー関連商品の代理店契約やオリジナル作品の展開を通じて、エンターテインメント事業の多角化を推進しました。

マルチメディア事業の失敗とセガとの合併騒動

1990年代には、マルチメディア事業を重視し、アップルコンピュータとの共同でゲーム機「ピピンアットマーク」を展開するも失敗に終わりました。その後、セガとの合併が計画されましたが、社員の反発や父親の反対により破談。山科誠は社長を辞任することになりました。

小説家としての活動

バンダイ社長時代から「茶屋二郎」のペンネームで小説を発表していました。社長辞任後は、小説家として執筆に専念しました。

現在の活動

現在は、株式会社Long Tail Live Stationの代表取締役CEOを務める傍ら、（株）山科ホールディングスの代表取締役、（財）鈴渓学術財団評議員、NPO法人パートナー逗子代表など、多岐にわたる活動を行っています。

山科誠は、おもちゃ業界に革新をもたらし、多角的な経営手腕を発揮した人物として知られています。その波瀾万丈な人生は、多くの人々に inspiration を与え続けています。

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