山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記

『山賊ダイアリー』シリーズ：漫画家猟師のリアルな奮闘記

『山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記』は、猟銃所持許可と狩猟免許を持つ漫画家、岡本健太郎氏の実体験に基づいた実録風漫画作品です。2011年から『イブニング』（講談社）にて連載が開始され、100話をもって第一シーズンが完結。その後、続編『山賊ダイアリーSS』が刊行されました。

リアルな狩猟生活と人間模様

本作は、岡山県を舞台に、岡本氏がカモやイノシシ、ウサギなどを狩猟し、自ら解体、調理して食する様子を克明に描いています。単なる狩猟の描写にとどまらず、猟師仲間との交流や、狩猟を取り巻く様々な問題、自然との関わり合いなど、多角的な視点から狩猟という行為を捉えています。作品中には、狩猟の技術や知識、獲物の生態に関する情報も散りばめられており、狩猟に興味のある読者にとっても興味深い内容となっています。

『山賊ダイアリー』の構成と特徴

『山賊ダイアリー』では、話数は「第○矢目」という独特のカウント方式が用いられています。連載開始は2009年11月の猟期開始時で、2年間の猟期を軸に物語が展開していきます。現実の時間よりもやや遅い進行となっていますが、狩猟や食に関する描写はほぼ事実を元にしているとのことです。

また、欄外には「この作品は、作者の実体験を元にしたフィクションです。が、狩猟や食のシーンに関しては、ほぼ事実です」というコメントが添えられており、フィクションとリアリティのバランスが絶妙に保たれています。

外伝『山賊ダイアリー ××に泊まろうシリーズ』

『週刊ヤングマガジン』にて不定期連載されていた外伝『山賊ダイアリー ××に泊まろうシリーズ』は、岡本氏が銃を使用せず、最小限の道具のみでサバイバルキャンプを行う様子を描いた作品です。話数は「○泊目」でカウントされ、『山賊ダイアリー』とは異なる視点から、自然の中で生き抜く知恵や工夫が描かれています。

続編『山賊ダイアリーSS』

『山賊ダイアリーSS』は、猟銃を使った狩猟にとどまらず、アウトドアライフにおけるハンティング全般をテーマとしています。話数は「HUNT○」とカウントされ、「真夏の魚突き編」など、様々な狩猟方法やアウトドアアクティビティが描かれています。しかし、2021年の岡本氏自身のTwitterの発言によると、当初予定されていたシリーズ展開は終了しており、単巻完結の作品となっているようです。

魅力的な登場人物たち

作品に登場する登場人物は、実在の人物をモデルとしており、猟師仲間との温かい友情や、時にぶつかり合う人間模様もリアルに描かれています。岡本氏自身をはじめ、個性豊かな猟師たちの生き様は、読者に深い感銘を与えます。特に、岡本氏の祖父である猟師のおじいちゃんの存在は、岡本氏の狩猟への情熱の源として重要な役割を果たしています。

狩猟と自然、そして倫理

『山賊ダイアリー』シリーズは、狩猟の楽しさや喜びだけでなく、狩猟を取り巻く倫理的な問題にも目を向けています。例えば、ヌートリアの捕獲と放逐に関するエピソードでは、特定外来生物問題に関する謝罪文が掲載されるなど、社会的な責任についても深く考えさせられます。

まとめ

『山賊ダイアリー』シリーズは、狩猟という行為を通して、自然との共存、人間の生き様、そして社会問題など、様々なテーマを深く掘り下げた作品です。リアルな描写と人間味あふれるストーリーは、多くの読者を魅了し続けています。狩猟に興味のある方だけでなく、人間ドラマや自然描写が好きな方にもおすすめできる作品です。

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