山際和久

山際和久（やまぎわ かずひさ）氏は、日本の工学者であり、現在は東京工科大学メディア学部の教授として教鞭を執っています。専門分野は、現代科学技術論やジャーナリズム論といった多岐にわたる領域に及んでいます。

その経歴は、まず学術的な基盤から始まりました。1972年に東京工業大学工学部生産機械工学科を卒業し、工学の素養を身につけます。卒業後、山際氏はジャーナリズムの世界へ進み、日本経済新聞社に入社します。同社では長年にわたり、記者および編集委員として活動し、メディアの最前線で情報発信に携わりました。この経験が、後のジャーナリズム論の研究に繋がったと考えられます。

1999年、山際氏は活動の場を大学へと移し、東京工科大学メディア学部の教授に着任しました。ここでは、自身の持つ工学的知識とジャーナリズムでの実務経験を融合させた教育研究活動を展開しています。さらに、学術的な探求を深めるべく、2004年には鹿児島大学大学院理工学研究科物質生産工学機能物質工学専攻の課程を修了し、博士（工学）の学位を取得しています。

研究テーマの中心には、科学技術の社会との関わりを論じる現代科学技術論や、メディアの役割と将来を考察するジャーナリズム論があります。これらの分野における知見は、多くの共著書として結実しています。代表的な著作には、以下のようなものがあります。

『技術の履歴書 : 開発から商品化までの12章』 (共著, 日本経済新聞社, 1978年)
『ロボット革命 : マイコンが工場を変えた』 (共著, 日本経済新聞社, 1981年)
『先端技術が地球を救う―環境保全技術の最前線』 (共著, 清文社, 1992年)
『独創の軌跡ー現代科学者伝ー』 (共著, 日経サイエンス社, 1992年)
『人間発見 : 時代を変革する50人』 (共著, 日本経済新聞社, 1998年)
『プレゼンテーション技法』 (共著, 日経スタッフ, 2002年)

これらの著書は、技術開発の過程、産業構造の変化、環境問題、科学者の人物像、社会変革を担う人々、さらには実務的なコミュニケーション技術に至るまで、幅広いテーマに対する山際氏の関心と知見を示すものです。

現在も、東京工科大学を拠点に研究活動を続けており、メディア・ジャーナリズム研究プロジェクトなどに関わっています。その活動は、メディアの現状や将来に関する考察にも及び、多角的な視点から現代社会の課題を探求しています。工学、ジャーナリズム、そしてメディア学という異なる分野を横断する知の探求者として、山際和久氏は教育と研究において重要な役割を担っています。

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