岡保生

岡 保生（おか やすお）

岡保生は、日本の近代文学研究に多大な影響を与えた研究者であり、1923年3月31日に三重県伊勢市に生まれました。彼は1945年に早稲田大学国文科を卒業し、その後、昭和女子大学及び青山学院大学の教授として教壇に立ちました。そして青山学院大学の名誉教授としても知られています。

岡の専門分野は主に日本近代文学であり、特に尾崎紅葉や小栗風葉など硯友社の作家に関する実証的な研究で知られています。彼の著作は日本文学界において重要な資産とされ、後進の研究者に多くの示唆を与えています。

著書

岡保生は多岐にわたる研究を行い、多数の著作を発表しています。以下は彼の単著及び共編著の一部です。

単著書籍

• - 『尾崎紅葉 その基礎的研究』 (東京堂, 1953年): 尾崎紅葉についての基本的な研究がまとめられています。
• - 『尾崎紅葉の生涯と文学』 (明治書院, 1968年): 尾崎紅葉の生涯を通じて、彼の文学的貢献を掘り下げています。
• - 『評伝 小栗風葉』 (桜楓社, 1971年): 小栗風葉の業績とその文学的背景についての評伝です。
• - 『近代文学の異端者 日本近代文学外史』 (角川選書, 1976年): 日本近代文学の異端者たちについての考察を行っています。
• - 『樋口一葉 薄倖の才媛』 (新典社, 1982年): 樋口一葉を特集した著作で、彼女の文学における才能と苦悩を考察しています。
• - 『尾崎紅葉 明治文壇の雄』 (新典社, 1984年): 明治時代の文学界における尾崎紅葉の重要性について分析しています。
• - 『明治文学論集 1-2』 (新典社, 1989年): 明治時代の文学をテーマとした論集です。
• - 『文学の旅へ みだれ髪から』 (井伏鱒二、新典社, 1998年): 日本文学の旅を通じての感性を紹介しています。

共編著書籍

• - 『現代日本文学史』 (大久保典夫共著, 桜楓社, 1969年): 現代の日本文学の歴史を俯瞰した一冊です。
• - 『坪内逍遥研究 座談会』 (稲垣達郎共編, 近代文化研究所, 1976年): 坪内逍遥に関する座談会の記録がまとめられています。
• - 『島村抱月研究 座談会』 (稲垣達郎共編, 近代文化研究所, 1980年): 島村抱月についての研究が掲載されています。
• - 『短篇小説名作選』 (榎本隆司共編, 現代企画室, 1981年): 短篇小説の名作を集めた選集です。

記念論集

• - 『近代文芸新攷』 (新典社, 1991年): 岡の業績を振り返る論集として、彼の研究の広がりを示しています。

岡保生は1999年2月4日に亡くなりましたが、彼の文学研究は今なお多くの研究者によって引き継がれ、影響を与え続けています。

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