岡山市歌

岡山市歌の概要

「岡山市歌」は、日本の岡山県岡山市が昭和の時代前半に制定した初代の市歌です。作詞は守時高樹、作曲は岡野貞一によって行われており、岡山市の文化と歴史を称える内容が盛り込まれています。

制定の経緯

この市歌は1930年11月に岡山市で行われた陸軍特別大演習を記念して、歌詞が一般に募集された結果、作成されました。市から依頼を受けた岡野貞一が音楽を担当し、作詞は共に公募で選ばれた守時高樹が行いました。興味深いことに、最初にリリースされたSPレコードには、作詞者ではなく審査委員の尾上柴舟の名前が記載されていました。しかし、岡山市史によれば、真の作詞者は和気郡片上町の守時高樹であることが確認されています。彼の作品は、1991年に著作権の保護期間が終了しました。

歌の内容

「岡山市歌」の歌詞は1番から3番までで、岡山市が産業、交通、教育の中心地としての発展を称賛しています。最終の4番では、岡山藩の歴史を象徴する烏城（岡山城）と後楽園に触れ、岡山市の過去と現在を結びつける内容となっています。各番の初めには「おゝわれらの大岡山市」と繰り返され、市民の誇りを表現しています。

封印と市民歌への移行

制定から10年以上が経つ中で、戦後の社会情勢の影響を受け、「岡山市歌」は市の公式行事では次第に演奏されなくなり、「封印」された状態となりました。その後、1958年には市制70周年を記念し、「岡山市民歌」が新たに制定され、初代の市歌は実質的に2代目の市民歌に代替わりしました。この移行の背景には、初代歌の制定経緯が軍と関連していたため、控えられるようになったという事情があります。

ただし、歌詞自体が時代遅れであったり軍国主義を想起する内容であった訳ではなく、他の都市の同時期に制定された市歌とは異なる特徴を持っています。

復活の試み

近年では、2007年より山陽女子高等学校の放送部主導で「広がれ岡山の歌宝」と名付けられた復活演奏プロジェクトが進められています。歌詞の作成者の遺族らとの協力を得て、2008年には復活演奏会が開催され、地域住民や関心のある人々が集まりました。現在では、YouTubeを利用して演奏の様子を観ることも可能です。

まとめ

岡山市歌は岡山市の歴史や文化を語り継ぐ重要な市歌であり、復活活動を通じてその価値が再評価されています。市民が愛する歌として再び岡山市の行事や文化の中に息づくことが期待されています。

もう一度検索