岡山電気軌道番町線

番町線の歴史と概要

番町線（ばんちょうせん）は、かつて岡山県岡山市で岡山電気軌道が運営していた路面電車路線です。この路線は、1912年に開業し、1968年に廃線となるまで市民の交通手段として利用されてきました。もともとは東山本線の支線としての役割を果たしており、開業当初は上之町から後楽園前までの区間が開通しました。

開業と路線の発展

1912年5月5日に、岡山電気軌道の一部として、御城下（後の上之町）から弓之町（後楽園前）までの路線が開業しました。その後、同年6月には停留場の名称変更が行われ、石関町停留場は本社前停留場、出石町停留場は県庁前停留場、弓之町停留場は後楽園停留場に改称されました。

1921年には、上之町から番町口（後の番町）までの全区間が開通し、路線名も番町線に変更されました。この時期に、岡山電気軌道は東山本線や清輝橋線とともに効率的な交通網を形成していきました。

経済成長と廃線

1945年以降、岡山は経済が急成長し、モータリゼーションが進展します。この流れの中で、都市の交通計画が見直され、公共交通機関のあり方が再考されました。その結果、1968年には番町線が廃線されることとなりました。これは都市交通の効率化を図るため、路面電車が時代遅れと見なされたためです。

路線情報

廃線時の番町線の特徴は以下の通りです:

• - 路線距離: 上之町 - 番町間 0.9km
• - 停留場数: 5（始点と終点を含む）
• - 軌間: 1067mm
• - 架線電圧: 直流600V
• - 列車運行: 全線が単線であり、複線区間は存在しませんでした。

停留場の名称変更

番町線にはさまざまな停留場名があり、歴史を追うことで次第に名前が変わってきました。例えば、1941年には憲兵隊前停留場が一番町停留場に改称されるなど、時代の変化に合わせた名称変更が行われました。また、1954年には県庁前停留場が岡山神社前停留場に改称され、その後、同停留場は別の名称で復活しています。

まとめ

番町線は岡山市において、長い間利用されていた路面電車路線であり、地域の発展に寄与してきました。しかし、時代の変動により廃線となってしまいました。現在でも、岡山の歴史を知る上で、番町線の存在は忘れられないものとなっています。歴史を振り返ることで、地域交通の重要性や変化を考える良い機会となるでしょう。

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