岡島百貨店 (旧店舗)

岡島百貨店（Okajima Department Store）

岡島百貨店は、株式会社岡島百貨店が運営し、1938年（昭和13年）から2023年（令和5年）まで山梨県甲府市丸の内に存在した百貨店です。85年の歴史に幕を閉じましたが、地元住民にとっては欠かせない存在でした。

概要

1938年9月、地上5階建ての鉄筋コンクリート造の建物が竣工し、営業を開始しました。アール・デコ調の西洋風内装が特徴で、当時としては珍しいエレベーターも設置され、甲府のシンボルとして親しまれました。

しかし、1945年（昭和20年）の甲府空襲で内部が全焼。それでも外構は残り、終戦後には復旧・改修工事が行われ、1952年（昭和27年）に全面完了。1955年（昭和30年）には屋上遊園地もオープンし、賑わいを取り戻しました。

1964年（昭和39年）と1974年（昭和49年）には増床や改装を実施し、1974年のリニューアルでは地上7階・地下2階に立体駐車場が併設されました。1988年（昭和63年）には、売場面積32,044m2という当時山梨県内最大、全国でも4番目の規模を誇る店舗へと拡大しました。

2001年（平成13年）からは耐震工事も実施されましたが、1988年のリニューアル後、バブル崩壊や市街地空洞化の影響を受け、経営危機に陥ります。2009年（平成21年）には大規模改装が発表されましたが、規模は縮小され、2012年（平成24年）から2015年（平成27年）にかけて一部店舗の入れ替えが行われました。

2019年（令和元年）には、建物の老朽化が深刻化し、増改築も困難な状況となりました。そして、2022年（令和4年）7月、2023年（令和5年）2月での閉店と解体が発表され、2023年2月14日にその歴史に幕を下ろしました。

その後、岡島百貨店は「岡島」と名称を改め、2023年3月3日より斜め向かいのココリで営業を再開しました。旧店舗跡地には、複合施設が建設される予定です。

店舗概要

閉店時のフロア構成は以下の通りでした。

8・9階: 岡島ローヤル会館、山梨文化学園（山日YBSカルチャーセンター）
7階: 催事場、レストラン街
6階: 書籍、文具
5階: 家具、インテリア、子供用品、ケーズデンキ
4階: 紳士服、学生服
3階: 婦人服、婦人用品
2階: 婦人用品
1階: 化粧品、装飾品、靴
* 地下1階: 食料品（アマノパークス岡島店）

かつては、マクドナルド甲府岡島店やドトールコーヒー甲府岡島店なども入居していました。

旧本館駐車場のアスベスト問題

本館に付帯していた立体駐車場では、アスベストがむき出しの状態であることが判明しました。岡島百貨店は2010年の検査でこの事実を把握していましたが、除去費用を捻出できず、対応が遅れました。その後、MIRARTHホールディングスが施設と土地を買収し、2023年8月よりアスベスト除去工事が開始されました。

岡島百貨店は、地域のシンボルとして長年親しまれてきましたが、時代の変化とともにその姿を変えていきました。閉店は多くの人に惜しまれましたが、新たな場所での再出発と跡地の再開発に期待が寄せられています。

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