岡本真

岡本真：編集者、キュレーター、そして未来の図書館を展望する先駆者

岡本真氏は、日本の編集者、キュレーター、コンサルタントとして多岐にわたる活動で知られています。1973年生まれ。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業という経歴を持ち、学術分野への深い理解を土台に、独自のキャリアを築き上げてきました。

1997年3月に国際基督教大学を卒業後、株式会社教育開発研究所での勤務を経て、1998年7月には、日本の学術情報分野における草分け的存在である情報メールマガジン『ACADEMIC RESOURCE GUIDE（ARG）』を創刊。フリー編集者として培った経験と、先進的な情報発信への強い意志を融合させたこの活動は、後の岡本氏のキャリアにおける重要な礎となりました。

1999年5月には、インターネット時代の幕開けを牽引する企業であるヤフー株式会社に入社。2004年には、現在も広く利用されているQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」の立ち上げに参画し、初代サービスマネージャーを務めました。この経験は、膨大な情報の整理と提供、そしてユーザーニーズへの対応という、岡本氏の専門性をさらに高める契機となりました。2007年までの在籍期間中は、情報プラットフォーム構築における実践的な知見を蓄積しました。

2009年7月にヤフー株式会社を退社後、同年9月には、自身が創刊したメールマガジン名と同じ『アカデミック・リソース・ガイド株式会社』を設立。代表取締役として、情報サービス、コンサルティング事業を展開しています。

また、岡本氏は社会貢献にも積極的に取り組んでいます。2011年4月には、東日本大震災をきっかけとした震災支援プロジェクト『saveMLAK』を設立し、被災地支援に貢献。2013年8月には、香港で開催されたウィキマニア2013でキーノートスピーカーを務めるなど、国際的な舞台でも活躍しています。

さらに岡本氏は、数々の著作を発表し、学術情報発信や図書館の未来に関する深い知見を共有しています。主な著書には、『これからホームページをつくる研究者のために - ウェブから学術情報を発信する実践ガイド』（築地書館）、『ウェブでの「伝わる」文章の書き方』（講談社現代新書）、『未来の図書館、はじめませんか？』（青弓社）、『司書名鑑：図書館をアップデートする人々』（青弓社）などがあります。これらの著作は、研究者や図書館関係者のみならず、幅広い読者層に影響を与え、情報伝達や知識共有のあり方について、多くの示唆を与えています。

岡本真氏の活動は、編集者、キュレーター、コンサルタントといった枠を超え、学術情報の発展、図書館の未来、そして社会貢献へと広がりを見せています。その活動は、デジタル時代における情報社会のあり方について、常に前向きな問いを投げかけ、多角的な視点から未来を展望する先駆者としての存在感を示しています。

もう一度検索