岡本龍二

1971年4月5日、神奈川県南足柄市に生を受けた岡本龍二は、プロ野球界で内野手として活動した人物である。

地元の山北高校に進学し、野球部で才能を開花させた。特に長打力に優れ、高校通算では25本塁打を記録している。最終学年となった3年生の夏には、チームの主軸として躍動。県大会の準々決勝では、横浜スタジアムという大舞台で本塁打を放つなど、チームをベスト4へと導く原動力となった。高校時代からその打棒には光るものがあり、将来を嘱望されるスラッガー候補として知られていた。

高校卒業を控えた1989年の秋、プロ野球ドラフト会議では指名されなかったものの、そのオフに地元の球団である横浜大洋ホエールズからドラフト外での入団の誘いを受け、プロ入りの扉を開いた。契約金は2500万円、推定年俸は360万円という条件でプロの世界に飛び込むことになった。

入団時、岡本は地元出身の長距離打者として、大きな期待を背負っていた。当時のチームの主力打者であり、「オバQ」の愛称で親しまれた田代富雄になぞらえ、「田代二世」と呼ばれることもあり、将来の主軸候補として期待されていた。

しかし、プロの世界は厳しく、一軍の舞台で実力を発揮する機会は極めて限られた。プロ入り後、一軍公式戦への出場はわずか1試合にとどまっている。その唯一の一軍出場は、現役時代のキャリアで最も特筆すべき記録の一つと言えるだろう。

その貴重な一軍出場は、1992年10月7日、本拠地である横浜スタジアムで行われた読売ジャイアンツとのシーズン終盤の一戦で訪れた。この試合、岡本は代打として起用された。具体的には、当時のチームメイトであった宮川一彦の打順で打席に立ったのである。しかし、結果は残念ながら三振に終わり、プロ野球選手としての一軍での打席は、この一度きりとなった。

プロ生活を通じて背負った背番号は、入団当初の1990年と1991年には「70」を着用。その後、1992年からは「50」に変更し、現役引退までこの番号を背負い続けた。

期待された活躍を見せることは叶わず、プロ野球選手としてのキャリアは短命に終わった。最終的に、1995年シーズン限りでユニフォームを脱ぎ、現役生活に幕を下ろした。高校時代に見せた長打力と将来性から大きな期待が寄せられたものの、プロの壁に阻まれた選手のキャリアの一例として、その名は記録されている。

プロ引退後の活動については、詳細は公にされていないが、短いながらもプロ野球選手として過ごした経験は、その後の人生に影響を与えたことだろう。

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