岡村弘之

岡村弘之（おかむら ひろゆき）は、1934年5月15日に生まれた日本の材料強度学、破壊力学者です。新潟県出身で、1953年に新潟県立長岡高等学校を卒業後、1957年に東京大学工学部機械工学科を卒業しました。その後、東京大学大学院に進学し、1962年に博士課程を修了、工学博士の学位を取得しました。博士論文のタイトルは『バウシンガ効果に関する研究』です。

1963年、岡村弘之は東京大学助教授に就任し、1973年には教授へと昇進しました。東京大学では、工学部長も務めるなど、教育・研究の両面で大学に大きく貢献しました。1995年には東京大学名誉教授となり、その後、東京理科大学に移籍。東京理科大学では、理工学部教授、理工学部長を経て、2002年から学長を務めました。2013年には、長年の教育・研究への貢献が認められ、瑞宝中綬章を受章しています。

岡村弘之は、その研究活動を通じて、材料強度学、特に破壊力学の分野において、多大な功績を残しています。日本機械学会や日本高圧力技術協会の会長を歴任するなど、学会活動にも積極的に参加し、日本の材料工学の発展に大きく貢献しました。

著書としては、1976年に出版された『線形破壊力学入門 破壊力学と材料強度講座』や1979年の『強度の統計的取扱い―構造強度信頼性工学 (破壊力学と材料強度講座)』などがあります。これらの著書は、材料強度学を学ぶ上で、重要な参考書として、多くの研究者や学生に利用されています。また、1980年にはC.R.バレット著の『材料科学 2 材料の強度特性』を翻訳するなど、海外の研究成果の紹介にも貢献しました。

岡村弘之は、教育者、研究者、学会活動家として、長年にわたり日本の材料工学の発展に貢献した、非常に重要な人物です。

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