岡清長

岡清長（おか きよなが）について

岡清長は、生没年が不明な人物ですが、安土桃山時代から江戸時代初期に活躍した武士でした。彼は左衛門佐という通称で知られ、岡定俊（左内）の甥にあたります。清長は伯父の定俊と共に会津藩の蒲生氏に仕官しました。この時代、彼と伯父はキリシタンとして信仰を持っていたことが重要な背景となります。

しかし、元和8年（1622年）にキリシタン弾圧が始まると、清長は信仰を棄てる決断を下しました。特に伯父の定俊には、家のために信仰を捨てるように迫った結果、定俊は棄教を受け入れたものの、直後に急死してしまいます。このため、清長が猪苗代城の城代となったのです。

寛永2年（1625年）、清長は正式に猪苗代城主に任命されましたが、彼の過去のキリシタンとの関わりから、教会に対する弾圧を激化させました。特に彼は、伯父の家臣であった林コスモ（主計）に目を付け、彼を捕らえ棄教を迫りました。しかし、林コスモはその要求を拒み、さらなる拷問にも耐え抜いたため、結果的に寛永3年1月25日（1626年2月21日）には会津若松郊外で斬首されることとなりました。

清長はこの後も猪苗代を中心に大規模なキリシタンの弾圧を続け、その手法は非常に苛酷であったとされています。彼の弾圧は、多くのキリシタンにとって悲劇的な運命をもたらしました。

寛永4年（1627年）、蒲生氏が伊予松山藩に移ることが決まると、清長は家老として任命されますが、内部の権力争いに巻き込まれます。特に、重臣の一人であった蒲生郷喜を排除しようと試みたことが、他の重臣たちとの間に御家騒動を引き起こしました。この結果、江戸幕府から咎められ、最終的に追放処分となりました。これが「寛永蒲生騒動」として知られています。

清長の生涯は、彼が持つ武士としての背景や信仰の変遷、さらには権力争いという複雑な要素によって形作られています。彼の行動は、当時の社会に影響を与え、また多くの人々にとって恐怖の象徴となりました。彼の事績は、歴史の中で重要な位置を占めており、キリシタン弾圧に関する理解を深めるための一つの鍵となるでしょう。

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