岡田一実

岡田一実氏は、1976年生まれの俳人です。富山県富山市で生まれ、現在は愛媛県松山市に在住し、俳句の創作活動を行っています。2006年頃からインターネットを通じて俳句を始め、2007年には夏井いつき氏が主宰する俳句集団「いつき組」に参加しました。

俳人としての活動は、数々の受賞歴からもわかるように、目覚ましいものがあります。2010年には、第3回芝不器男俳句新人賞において城戸朱理奨励賞を受賞し、俳壇での評価を確立しました。さらに2014年には、第32回現代俳句新人賞を受賞するなど、その才能は高く評価されています。

2015年からは、同人誌「らん」の同人として活動を開始し、俳句作品の発表の場を広げました。2019年には、初の句集『記憶における沼とその他の在処』を刊行し、第11回小野市詩歌文学賞を受賞。その独特な世界観と繊細な表現は、多くの読者を魅了しました。2022年には、評論「『杉田久女句集』を読む―ガイノクリティックスの視点から」で第42回現代俳句評論賞を受賞し、俳句に対する深い造詣と批評眼を示しました。

著書としては、2014年に『境界-border-』、2015年に『新装版　小鳥』、2018年に『記憶における沼とその他の在処』、2021年に『光聴』、そして2024年には『篠原梵の百句』と『醒睡』を刊行しています。これらの作品は、岡田氏の俳句に対する真摯な姿勢と、独自の視点から捉えられた世界観を伝えています。また、共著として「関西俳句なう」にも参加するなど、その活動は多岐にわたります。

岡田一実氏の作品は、伝統的な俳句の形式を踏まえつつも、現代的な感性を取り入れた、独自のスタイルが特徴です。日常の些細な出来事や、心の奥底にある感情を、繊細な言葉で表現するその手腕は、多くの人々を惹きつけています。今後の更なる活躍が期待される、注目の俳人の一人です。

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