岡田式静座法

岡田式静座法について

岡田式静座法は、岡田虎二郎によって考案された心身の修養法であり、特に大正時代に人気を博しました。この方法は、静かに坐ることで心を落ち着け、身体の安定を図ることを目的としています。正確には「岡田式静坐法」と表記されることもあります。

基本的な姿勢と呼吸法

岡田式静座法は、身体の物理的な安定を重視しています。そのため、まずは正しい姿勢を取ります。具体的には、両足を土踏まずのところでX字に組み、膝の間隔は男性が拳二つ分、女性が拳一つ分ほどにすることが求められます。腰をしっかり立てて背筋をまっすぐに保ち、鳩尾を落として上半身の力を抜きます。この状態を意識化しながら、呼吸を行っていきます。

両手は腹部にやさしく軽く添え、親指を片方の手で握る形を取り、掌を下にして腿の上にのせます。首を真っ直ぐに保ち、眼を軽く閉じて息を整えましょう。呼吸は鼻からゆっくり長く吐き、その際に下腹部に力を入れます。疲れた時は胸を張るのではなく、上半身を落とし続けていくことが重要です。

心の状態について

静座法の中で岡田は、心の平穏を得るためには無念無想であることが必要だと説いています。思考を巡らせたり、精神集中を意識することから離れ、ただ息を吐きながら自分の心を下腹に意識を集中させることが強調されています。多くの雑念が浮かんでも、それを手放し、ただ姿勢と呼吸に専念することが重要です。このような実践を通じて、自己を理解し、心の安定を図ることを目指しています。

岡田虎二郎の生涯

岡田虎二郎は、1872年に愛知県で生まれ、心身の健康を追求する姿勢から多くの人々を魅了しました。16歳で心身の強化を決意し、農業や健康改善に携わる中で多くの人々に影響を及ぼしました。1901年には米国に渡り、様々な修行を重ねた後、日本に帰国。彼の静座法は、特に心身の病を抱える人々に多くの成果を上げました。

また、静坐会を主宰し、多くの信奉者を持ちながらも、49歳で急逝し、その後も岡田の教えは多くの人々に受け継がれています。岡田式静座法は、家庭やコミュニティでも実践され、今日でも多くの支持を集めています。

静座法の実践

岡田式静座法は、初心者から上級者までが取り組むことができる方法です。まずは短時間から始め、徐々に時間を延ばしていくことが推奨されています。例えば、朝起きてすぐや就寝前に静坐することが理想的ですが、日常生活の中でも心がけて静座を行うことが可能です。

呼吸のコントロールも重要で、吐く息を長くし、吸う息は自然に入るようにします。この呼吸方法を通じて、心身のリラックスを図り、より安定した状態で静坐を続けることができるでしょう。全身の力を抜くことなく、下腹に力を入れることがクリティカルです。

おわりに

岡田式静座法は、心身の調和と静けさを目指すための方法であり、現代のストレス社会においても有用な実践法となるでしょう。坐る時間を持ち、心を落ち着けることで、自己を見つめ直し、日々の生活における安定を得ることができるかもしれません。

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