岡田忠彦

岡田 忠彦（おかだ ただひこ）

概要

岡田忠彦は1878年に生まれ、1958年に死去した日本の内務官僚であり政治家です。彼は埼玉県、長野県、熊本県の知事を務めたほか、内務省の警保局長、衆議院議員および厚生大臣など、数多くの重要な役職を歴任しました。彼の政治的なキャリアは、内務省から民間政治の場へと広がり、日本の近代史において重要な役割を果たしました。

来歴・人物紹介

岡田忠彦は岡山県に生まれ、岡山中学校や第一高等学校を卒業した後、1903年に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。官僚としてのキャリアは、まず逓信省の鉄道書記から始まりました。1906年には内務省に移り、静岡県事務官や東京府内務部長といった役職を経て、各県の知事を歴任しました。1923年には内務省の警保局長に就任しそこから政治活動に弾みをつけましたが、虎の門事件の責任を取って辞職しました。

政治家としての活動

1924年の衆議院議員総選挙に無所属で初出馬し、見事に当選を果たしました。以降、彼は合計8回も当選を重ねることになります。当選後は中正倶楽部に加入しましたが、1925年には立憲政友会に移籍しました。政友会内では総務に就任し、その後は副議長、そして1942年には衆議院議長に昇進します。この時期、彼は戦時中の議会の運営や協力体制の確立に重要な役割を担いました。

彼の政治活動は、犬養毅の暗殺後、久原房之助と行動を共にするようになり、親軍派としての立場を深めました。彼は特に政友会内では久原系の議員として知られ、戦後の複雑な政治状況にも影響を与えました。

戦後の活動と引退

終戦後、岡田は公職追放を受けることになりますが、1952年には日本再建連盟の顧問となり、その後自由党から公認を受けて選挙に出馬し当選しました。しかし、翌年の選挙では落選し、政界からの引退を余儀なくされます。彼は1958年に80歳で死去し、死後に勲一等旭日大綬章が追贈されました。彼の墓は多磨霊園にあります。

家族と影響

岡田忠彦の家系は政治や文化の分野で活躍する人物を多く輩出しています。彼の弟である岡田包義も内務官僚として知られており、自由党から選挙に挑戦しましたが、落選してしまいました。また、彼の甥には建築家の岡田新一、孫には詩人で美術評論家の岡田隆彦がいます。
彼は黒住教を信仰しており、その影響を受けたとも言われています。

受賞歴

1945年には勲一等瑞宝章を受賞し、1958年には正三位から従二位に叙され、死去の日には勲一等旭日大綬章が追贈されました。

参考文献

岡田忠彦に関する著書や伝記は様々な書店や図書館で見つけることができるため、興味のある方はぜひ調べてみてください。

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