岡部達味

岡部達味

岡部達味（おかべ たつみ、1932年4月1日 - ）は、日本の政治学者です。中国外交と中国政治を専門とし、東京都立大学名誉教授の職にあります。

学歴と職歴

1932年、東京都渋谷区に生まれた岡部氏は、1951年に東京都立青山高等学校を卒業後、東京大学に進学しました。1955年には東京大学教養学部（国際関係論分科）を卒業し、1957年には同大学院国際関係課程修士課程を修了しています。1973年には、東京大学から社会学博士の学位を授与されました。

1957年から1963年までNHK解説委員室に勤務した後、国際基督教大学助手（1963-67年）を経て、1967年に東京都立大学法学部の専任講師に就任しました。その後、同助教授（1968-75年）、同教授（1975-1995年）を歴任し、1984年から1987年まで法学部長も務めています。1995年から2003年までは専修大学法学部教授を務めました。

学会活動と社会活動

岡部氏は、学会活動にも積極的に参加しており、1988年から1989年までアジア政経学会理事長を務めました。また、1997年から2001年まで日中友好21世紀委員会日本側座長として、日中関係の発展に尽力しました。

研究内容

岡部氏の研究は、中国の対外政策、中国政治、東南アジアと日本の関係など多岐にわたります。特に、中国の対外戦略や日中関係に関する研究は、国内外で高く評価されています。また、国際政治の分析枠組みに関する研究も行っており、その理論的貢献も注目されています。

著書

岡部氏は、多数の著書を執筆しており、その多くが中国研究の重要な文献となっています。主な単著としては、『現代中国の対外政策』（1971年）、『中国の対日政策』（1976年）、『中国は近代化できるか』（1981年）、『中国の対外戦略』（2002年）、『日中関係の過去と将来』（2006年）などがあります。これらの著書は、中国の政治、外交、社会、経済に関する深い分析を提供しており、中国研究者にとって必読の文献となっています。

また、共著、編著、共編著も多数あり、幅広い分野で研究活動を行っています。特に、国際関係論、アジア地域研究、中国社会主義の研究において、重要な貢献をしています。

翻訳

岡部氏は、海外の研究書の翻訳も行っており、H・E・ソールスベリー著『中国とその周辺』（1968年）、アレン・S・ホワイティング著『中国人の日本観』（1993年）などがあります。これらの翻訳は、日本の読者に海外の視点を紹介し、中国研究の深化に貢献しています。

岡部達味氏は、長年にわたり中国研究の第一線で活躍し、日本の中国研究を牽引してきた重要な人物です。その研究成果は、学術的な価値が高いだけでなく、日中関係の発展にも大きく貢献しています。

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