岩崎一揆

岩崎一揆について

岩崎一揆（いわさきいっき）は、慶長5年（1600年）に発生した反乱で、主に和賀忠親が中心となり南部氏に対して起こしました。この反乱は、伊達政宗からの扇動を受けたことが背景にあり、「岩崎合戦」や「和賀一揆」とも呼ばれています。

発端

この一揆は、豊臣秀吉の奥州仕置に対する反発から始まりました。和賀氏や稗貫氏は、秀吉の令に従わずに「和賀・稗貫一揆」を起こしましたが、これが鎮圧されると彼らの土地は没収され、南部氏に与えられました。没落した和賀忠親は伊達政宗に保護され、胆沢郡平沢の地を賜りました。その後、政宗は忠親に対し、「国は二つに分かれて争っている。今のうちに領地を切り取っておけば、新体制にも認められるだろう」と挙兵を促しました。

一揆勢の侵攻

忠親は旧臣や稗貫氏の生き残りを集め、二子城を拠点に南部氏の諸城を次々に襲撃しました。慶長5年9月20日、南部氏の主力軍が他に出兵していたため、その隙を突いて花巻城への侵攻を決行しました。一時、城の二ノ丸や三の丸を制圧し、本丸に迫ったものの、南部軍の北信愛や柏山明助らの反撃により退かされました。

一揆軍は大迫城も攻め入るなどの奮闘を見せましたが、戦況が厳しくなると次第に敗北を重ね、拠点の二子城を失う事態に陥りました。最終的には岩崎城に籠城し、南部軍を迎撃する準備を整えました。

10月中旬、南部軍の主力が花巻に到着するも、厳しい冬季が迫り、戦闘は一時的に中断。以後、春の再開を待つ状態が続きました。この一揆の様子は最上義光を通じて徳川家康に報告されたと言われています。

岩崎城陥落

慶長6年に入っての1月20日、南部軍は攻撃の準備を進めました。3月17日には七折館に陣を構え、攻撃を開始しましたが、初めは奮闘したものの城の防御に阻まれ苦戦を強いられました。4月に入ると、さらに白石宗直の家臣が参戦し、南部軍にとっては苦しい局面が続きました。

しかし、4月26日、北信愛の指揮により城に火を放ち、大規模な攻撃を行い、ついに岩崎城は陥落しました。この時、逃げ延びた忠親は自害し、また暗殺されたとも言われています。彼はその後、陸奥国分尼寺に埋葬されたとのことです。

戦後処理

岩崎城を制圧した南部軍は、功績を上げた柏山明助を新たに城主に配置しました。また白石宗直は所領替えとなり、その後の政務に関与することになりました。しかし、この一揆が問題視され、伊達政宗は徳川家康から「百万石のお墨付き」を剥奪されるという結果に至ります。

まとめ

岩崎一揆は、戦国時代末期における権力闘争や地域の争いを象徴する出来事でした。地域の大名や小勢力がそれぞれの立場や利害を背景に動き回る様は、当時の日本の複雑な政治状況を浮き彫りにしています。

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