岩崎巴人

岩崎巴人：絵筆と禅の境地を極めた画家の一生

岩崎巴人(いわさき はじん)は、[1917年]東京都新宿区'>[11月12日]]、東京府東京市]に生まれ、[2010年]5月9日、93歳でこの世を去った日本の僧侶にして[[日本画家です。幼少期より絵画への才能を示し、その才能は生涯を通じて彼を突き動かしました。浄土宗西山禅林寺派の僧侶としての顔も持ち合わせ、絵画と宗教という一見相反する世界を独自の方法で融合させた稀有な存在でした。

彼の芸術人生は、1936年の川端画学校卒業後、同校の研究科に2年間在籍したことから始まります。在学中には青龍社展に入選し、将来への可能性を示唆しました。その後、1938年には巨匠小林古径に師事。同年に再興第25回院展に「芝」を出品し、見事に入選を果たします。この作品は、横山大観からも高い評価を受け、彼の才能は広く認められることとなりました。1941年には再興第28回院展にも入選するものの、同年応召され、戦地へと赴くことになります。

戦後、一時的に母親の疎開先であった富山県に滞在。1950年には院展を脱退し、新たな道を模索します。1958年には、谷口山郷や長崎莫人らと共に日本表現派を創立、現代美術の潮流に積極的に参加しました。しかし、1968年には日本表現派を脱退。その後、1977年に禅林寺で出家。僧侶としての道を歩み始めます。この出家によって、彼の芸術活動は新たな段階へと移行します。絵筆と求道の精神を一体化させ、独自の世界観を構築し、日本画の分野において独自の展開を繰り広げたのです。

彼の活動は多岐に渡り、1987年から翌年にかけてはNHK趣味講座「水墨画入門」の講師を務め、水墨画の普及にも貢献しました。晩年まで精力的に創作活動を続け、数々の作品を生み出しました。代表作には「芝」、「情熱の週末」、「軍鶏図」、「雲行仏国土絵巻」、「ブダガヤの村」、「河童百態絵巻」、「降魔成道」、「南総八犬伝幻想図絵」、「白鳥」、「七福神宝船図」、「南無青面金剛」、「藐姑射の山」、「喫茶去（趙州三椀之茶）図」、「白雲深処掩柴扉」、「ジャータカ物語」、「雲門柱杖化龍図」、「旭日力松波濤之圖」、「春禽椿花図」、「図歸山五合庵良寛村童」、「龍図」、「旭日松鶴図」、「寒山拾得図」、「バケモノ百鬼夜行図」などがあります。これらの作品は、彼の宗教観、自然への深い愛情、そして豊かな想像力を反映したものとなっています。

2010年、間質性肺炎のため永眠。数々の作品、そして「水墨画入門」講師としての功績は、後世に長く記憶されることでしょう。彼の生涯は、絵筆と禅の境地を極め、独自の芸術世界を築き上げた稀有な画家の物語として、これからも人々に語り継がれていくことでしょう。多くの著作も残しており、『蛸壺談義』、『対談集美術家への証言:NHK日曜美術館第7集』、『岩崎巴人展:日本のフォーヴ 野の僧』、『水墨画入門』、『岩崎巴人展』、『岩崎巴人展:郷土作家企画展』、『長崎莫人と交友の画家たち:岩崎巴人・谷口山郷・のむら清六』、『郷土作家展岩崎巴人展：ここだけの巴人の世界』などがあります。これらの著作は、彼の芸術活動や思想を知る上で貴重な資料となっています。

小林古径、長崎莫人、谷口山郷、のむら清六といった同時代の芸術家たちとの交流も、彼の芸術人生に大きな影響を与えました。彼らとの交流を通して、岩崎巴人は自身の芸術を更に深化させていったのです。彼の作品は現在も各地の美術館で展示されており、多くの鑑賞者を魅了し続けています。

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