岩崎武雄

岩崎 武雄（いわさき たけお）

岩崎武雄は、1913年11月10日に東京で生まれ、1976年10月20日に逝去した日本の哲学者です。彼は主にドイツ観念論についての研究で知られ、東京大学の名誉教授として長いキャリアを築きました。

来歴

岩崎は東京の地に育ち、東京帝国大学の文学部哲学科を卒業しました。1936年に卒業した後、彼は旧成城高等学校の校長を務めた後、1947年に東京大学文学部の助教授となりました。1952年には「カントとドイツ観念論」をテーマに文学博士の学位を取得し、その2年後には教授に昇進しました。1974年に定年退官した後も、青山学院大学での教授職を経て、東京大学の名誉教授としてその後の人生を送った彼は、その知識と見識を多くの学生に伝えました。

岩崎は1973年から1976年にかけて日本哲学会の会長を務めており、哲学の発展に大きく寄与した人物として認識されています。

著作

彼の著書は多岐にわたります。1947年に発表した『歴史』を皮切りに、1951年には『カントとドイツ観念論』を出版しました。この作品は、カントの思想を深く考察するもので、岩崎の哲学者としての地位を確固たるものにしました。

1952年には『西洋哲学史』の初版を出版し、これに続いて1954年には『弁証法 その批判と展開』を東京大学出版会から発表しました。彼の研究は、英米哲学や倫理学にも及び、1958年には『現代英米哲学の概観と印象』、1963年には『現代英米の倫理学』を刊行しました。これらの作品は、岩崎自身の視点を交えながら、西洋哲学の流れを理解するための重要な資料となっています。

岩崎はまた、1965年に『カント「純粋理性批判」の研究』を発表し、カントの哲学的著作について詳細に検討しました。さらに、1966年には『哲学のすすめ』を刊行し、一般読者にも分かりやすい形で哲学の入門書を提供しました。1971年には『倫理学』を出版し、1972年には『正しく考えるために』といった実践的なアプローチの著作も手掛けました。

1976年には『基本的人権の基礎』を示し、哲学と社会問題との関連についても触れるなど、多方面にわたり彼の意見を発表しました。

岩崎の業績は、1981年から1982年にかけて発表された「岩崎武雄著作集」全10巻にもまとめられており、彼の思想や視点を広く知ることができます。

まとめ

岩崎武雄は日本の哲学界において非常に重要な存在であり、特にドイツ観念論に関する研究において数多くの著作を残しました。彼の理論や教育活動は、今もなお多くの哲学者や学生に影響を与えています。

もう一度検索