岩手県立杜陵高等学校

岩手県立杜陵高等学校について

岩手県立杜陵高等学校（いわてけんりつとりょうこうとうがっこう）は、岩手県盛岡市に位置する公立の定時制及び通信制の高等学校です。1924年に設立され、日本で初めての夜間中学校の一つとしてスタートしました。この学校は、新たな学びの形を提供し続け、今では岩手県における定時制・通信制教育の中心的な存在となっています。

学校の沿革

杜陵高等学校は、1943年には岩手県に移管され、「岩手県立盛岡夜間中学校」と改称されました。さらなる学制改革によって1948年に「岩手県立杜陵高等学校」として新たな高等学校に生まれ変わりました。その後、1968年には通信制課程が設けられ、1988年には単位制に移行しました。さらに2009年には奥州校が設立され、教育環境の充実を図ってきました。

教育体制

杜陵高等学校では、定時制と通信制の2つの課程が設けられています。定時制は、午前・午後・夜間の3部制を採用しており、通信制では自宅学習を基にレポート提出を行う形式です。入学については春と秋の2期制を採用し、在籍3年以上で必修科目を含む74単位を取得すれば卒業が可能です。

この学校の特徴としては、制服がなく、生徒たちには自由なスタイルでの通学が許されています。ただし、「自由には責任が伴う」とし、自己管理能力を育むために指導が行われています。また、かつては遠方からの生徒のために寄宿舎が設置されていましたが、2023年に閉舎されました。

特殊な教育活動

杜陵高校は、1976年から盛岡少年刑務所の被収容者に対する通信制教育を開始しており、特異な教育の場として全国でも注目されています。これまでに218名が入学し、145名が卒業しています。また、近年では2019年に岩手県立中央病院へのドクターヘリ用ヘリポートが学校内に設置され、地域への貢献も行っています。

校訓と教育目標

杜陵高校の校訓は「熱意、誠意、創意」であり、教育目標は「他者を尊重し、自助の精神を持ちながら心身ともに健康で社会に貢献できる人材の育成」にあります。これに基づき、さまざまな学びの場や活動が展開されています。

学校行事と部活動

学校行事には、毎年6月に開催される「杜高大会」や生徒の生活体験を発表する「生活体験発表会」、文化祭である「杜高祭」があります。これらの行事を通じて、生徒たちは仲間との絆を深め、自己表現の機会を得ることができます。

また、部活動も盛んで、定時制では陸上競技部、バスケットボール部、書道部など多彩なクラブがあり、通信制でも陸上競技部やバドミントン部、読書文芸部などが活動しています。特に、美術・イラスト部は全国大会にも進出した実績があります。

まとめ

岩手県立杜陵高等学校は、長い歴史の中で多様なニーズに対応する教育を行い、社会に貢献する人材を育んできました。これからも、地域に根ざした教育機関としてその役割を果たしていくことでしょう。

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