岩淵村 (静岡県)

岩淵村（いわぶちむら）

岩淵村は、かつて静岡県庵原郡に存在した村で、現在の富士市岩淵にあたります。その歴史は古く、江戸時代には東海道の間の宿として、また富士川の渡し場としても重要な役割を担い、旅人や物資が行き交う場所として栄えました。

東海道の宿場町として

岩淵村は、東海道の宿場町である吉原宿と蒲原宿の間に位置し、間の宿として機能していました。間の宿とは、正式な宿場町ではないものの、旅人の休憩や宿泊の便宜を図る場所のことです。岩淵村には、富士川を渡るための渡し場があり、川を挟んで東西の往来を支えていました。

東海道本線と村の変遷

1889年（明治22年）2月1日、東海道本線が開通し、隣の中之郷村に岩淵駅（後の富士川駅）が開業しました。これは、村の変遷に大きな影響を与える出来事でした。同じ年の4月1日、岩淵村は木島村、中之郷村と合併し、新たな村として富士川村が誕生しました。この合併により、岩淵村としての歴史は一旦幕を閉じます。

その後の発展

富士川村は、1901年1月25日に町制を施行し、富士川町となりました。その後、2008年11月1日に富士市へ編入され、現在の富士市の一部となっています。かつては東海道の要所として栄えた岩淵村ですが、その名前は現在の地名として受け継がれています。

名所・旧跡

岩淵村には、歴史を物語る貴重な名所・旧跡が残されています。

旧東海道岩淵の一里塚（県指定史跡）
東海道を旅する人々にとって、道標として重要な役割を果たした一里塚が、今もその姿をとどめています。一里塚は、街道沿いに一里（約4キロメートル）ごとに設けられた塚で、旅人の距離感覚を測る目安となりました。

旧小休本陣常盤家（国の登録有形文化財）
江戸時代、大名や公家などの身分の高い人々が休憩や宿泊に利用した本陣の建物です。常盤家は、女優の常盤貴子さんの父親の実家としても知られています。この建物は、当時の建築様式を今に伝える貴重な文化財として登録されています。

まとめ

岩淵村は、東海道の要所として栄えた歴史と、その後の時代の流れの中で変化を遂げた地域です。現在では富士市の一部となっていますが、その名残は地名や歴史的な建造物から感じることができます。

関連項目

* 静岡県の廃止市町村一覧

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