岩田徳三郎

岩田徳三郎（いわたとくさぶろう）の射撃競技キャリア

岩田徳三郎は、1901年2月18日に生まれ、日本の射撃競技の歴史に名を刻んだ選手の一人です。彼は特にクレー射撃、特にトラップにおいて非常に多くの業績を残しました。1956年のメルボルンオリンピックでは日本を代表してクレー・ピジョンに出場し、オリンピックにおいてクレー射撃を経験した最初の日本選手の一人として名を馳せました。

経歴の始まり

岩田は法政大学を卒業後、射撃の世界に足を踏み入れることになりました。彼は17歳の頃から狩猟に興味を持ち、次第にスポーツ射撃に魅了されていきました。戦後の日本において彼の射撃技能は急速に向上し、1952年には国体でトラップの個人および団体両部門で優勝を果たしました。この優勝が彼の射撃人生における重要な転機となり、その才能が広く認められるきっかけとなりました。

1953年には、公式な試合においてスキートで初めて100点満点を達成し、さらに名声を高めました。そして1954年、マニラで行われたアジア競技大会において、トラップ部門で銀メダルを獲得しました。また、この年の世界射撃選手権では、個人で16位を記録し、世界規模でもその名を知られる存在となりました。

オリンピックの挑戦

1956年にはメルボルンオリンピックの予選会に臨み、見事に197点を記録して日本新記録で突破。オリンピック本戦では155点という結果を残しました。この大会での条件は非常に厳しく、風速10メートルを超える強風に悩まされる中、他の選手に比べて大きな差を感じる場面もありました。金メダリストのガリアーノ・ロッシーニが195点を叩き出した際には、その力量に驚き、悔しさを感じたと後に語っています。

引退後も続けた射撃活動

岩田は1957年に国際射撃連盟から世界射撃功労賞を受賞し、その名声は射撃界で高く評価されています。1989年には緑内障の影響で左目の視力を失いながらも、「現役最長老」として活躍を続け、87歳という高齢でも射撃に情熱を注ぎました。彼のこの姿勢は、多くの後輩選手たちにとって信じられないほどの励みとなり、射撃界における生きた伝説として語り継がれています。

まとめ

岩田徳三郎の生涯は、努力と成果の象徴であり、射撃というスポーツにおいて重要な足跡を残した選手です。彼の功績は、日本の射撃競技の発展に寄与し、若い世代の選手たちに夢を与える存在となっています。日本のスポーツ史に名を刻んだこの偉大な選手の影響は、今後も続いていくことでしょう。

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