岩田明美

岩田 明美

岩田 明美（いわた あけみ、1954年1月19日 - ）は、日本の女子サッカー界における先駆者の一人であり、元女子サッカー選手、そして元サッカー日本女子代表メンバーです。

クラブでの歩み

選手としてのキャリアにおいて、岩田明美氏は主にFCジンナンというチームでプレーしました。当時、日本の女子サッカーはまだ競技人口も少なく、組織的なリーグなども整備されていない黎明期にありましたが、FCジンナンはその中で活動を展開し、多くの選手を育成・輩出していました。岩田氏もその一員として、技術を磨き、国内外での活躍を目指しました。

日本女子代表としての活動

日本の女子サッカー史において特筆すべき出来事の一つが、1981年に初めてサッカー日本女子代表チームが編成されたことです。岩田明美氏は、この記念すべき代表チームの結成にあたり、栄えある初期メンバーの一人として選出されました。これは、当時の女子サッカー選手にとって、そして日本の女子サッカー全体にとって、国際舞台への第一歩を踏み出す重要な機会でした。

国際舞台へのデビュー

日本女子代表の初陣となったのは、同年に開催された1981 AFC女子選手権でした。岩田氏は、この大会に出場する代表チームに名を連ねます。そして、1981年6月11日、大会のグループステージ第2戦、タイ代表との一戦で国際Aマッチデビューを果たしました。この試合は、日本の女子サッカーが公式な国際試合の舞台に立つ歴史的な瞬間であり、岩田氏もその場に立ち会った選手の一人となりました。

AFC女子選手権では、岩田氏はタイ戦を含め、合計2試合に出場し、結成されたばかりの代表チームの一員としてアジアの強豪チームを相手に奮闘しました。この大会での経験は、その後の日本女子サッカーが国際レベルで戦う上で貴重な財産となりました。

歴史的なイタリア戦

AFC女子選手権の後、1981年9月9日には、ポートピア'81国際女子サッカー大会の一環として、強豪であるイタリア代表との国際親善試合が行われました。岩田氏もこの試合に出場しましたが、結果は日本代表にとって非常に厳しいものとなりました。

当時のイタリア女子代表は世界的な強豪であり、対する日本はまだ経験も浅いチームでした。試合はイタリアが圧倒的な力の差を見せつけ、結果は0対9という大差での敗北となりました。この試合は、日本の女子サッカー代表史上、最大の点差での敗戦として記録されており、国際レベルとの大きな隔たりを痛感させられる一戦となりました。しかし、この経験がその後の日本女子サッカーの強化への意識を高めるきっかけとなったとも言えます。

通算出場記録

岩田明美氏の国際Aマッチ出場記録は、1981年のAFC女子選手権での2試合と、同年に行われたイタリア戦の1試合を合わせた通算3試合となります。これら全ての試合は、日本女子代表が初めて国際舞台に立ち、試行錯誤を繰り返していた非常に初期の段階での記録です。短い期間での代表活動ではありましたが、日本の女子サッカーの黎明期において、代表チームの一員として国際経験を積んだそのキャリアは、後世に繋がる貴重な一歩でした。

岩田明美氏は、選手としての技術はもちろんのこと、日本の女子サッカーがまだ十分に認知されていない時代に、パイオニアとして代表チームの一員を務めたその功績は、日本の女子サッカー史に確かに刻まれています。

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