岩見沢レールセンター

岩見沢レールセンターは、岩見沢駅北口近くに位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）の重要な工場です。ここでは、道内各地のJR路線で使用されるレールの加工を一手に引き受けており、特に青函トンネルの全長52kmに及ぶロングレールの製造に貢献したことは特筆に値します。

センターの事務所として使用されているのは、旧北海道炭礦鉄道の岩見沢工場材修場です。この建物自体が、近代化産業遺産および準鉄道記念物として認定されており、その建築学的価値は日本建築学会からも高く評価されています。内部の補強材には古いレールが用いられており、その中には北海道最古となる1876年（明治9年）にアメリカのベスレヘム社で製造されたレールも含まれているという、貴重な歴史を物語る存在です。

岩見沢工場材修場は、1892年（明治25年）の北海道炭礦鉄道（現在のJR室蘭本線）開通後、車両の製造と修理を目的として建設されました。建物のファサード頭頂部に掲げられた五稜星のマークは、旧北海道炭礦鉄道の社章であり、現存する唯一のものとされています。長らく建設時期が不明でしたが、近年の調査で1898年9月に着工し、翌1899年8月に完成したことが判明しました。

歴史的価値が非常に高い建物でありながら、現在も現役の施設として使用されているため、通常は外観のみの見学となります。一般公開は不定期かつ非常に稀な機会に限られています。

沿革：

1899年8月（明治32年） - 北海道炭礦鉄道岩見沢工場材修場として設立。
1910年（明治43年）1月21日 - 木工場から火災が発生し、17,476円の損害を被る。
2007年（平成19年）11月30日 - 事務所が近代化産業遺産「近代化産業遺産群33（北海道石炭）」に認定。
2010年（平成22年） - 事務所が準鉄道記念物に指定。

岩見沢レールセンターは、鉄道の歴史と技術、そして産業遺産としての価値を兼ね備えた、貴重な存在と言えるでしょう。

もう一度検索