岩見隆夫

岩見隆夫の歩みと影響

岩見隆夫（いわみ たかお）は、1935年10月6日に大連で生まれ、2014年1月18日に78歳で逝去した、日本のジャーナリストおよび政治評論家です。彼は山口県防府市で育ち、山口県立防府高等学校を経て、京都大学法学部を卒業。1958年、毎日新聞社に入社し、以降数十年にわたり同社で多様な役職を歴任しました。

毎日新聞でのキャリア

岩見のキャリアは、まず社会部記者としてスタートし、その後、政治部記者や政治部副部長、秘書室長、論説委員、出版局次長兼サンデー毎日編集長など多岐にわたりました。彼の在籍中には、編集局長として夕刊紙でのグリコ事件に関する誤報があり、これは後に辞任に至る経緯がありました。彼は誤報について反省の意を表し、自らの紙上で文面を掲載しました。

また、岩見は政治評論家としても活動を展開し、毎日新聞やサンデー毎日に連載を持ち、改憲容認に対する意見など、保守的な立場からの政論を展開しました。1992年には「新編・戦後政治」や「近聞遠見」という連載を通じて、政治報道の新しい側面を提起し、日本記者クラブ賞を受賞しています。

退社後の活動

2007年に毎日新聞社を退社した後、彼はクルーズ客船「飛鳥II」での約3ヶ月の世界一周旅行を経て、同年の夏より毎日新聞の客員編集委員として再び働き始めました。その後、テレビ朝日『やじうまプラス』や『みのもんたの朝ズバッ!』などの番組に出演し、多くの視聴者に親しまれました。2012年には特別顧問に就任し、再度メディアに貢献しました。

病と最期

2013年、自身が末期肝癌に罹患していることを公表し、治療に専念する一方で、新聞や雑誌でのコラムは継続する意向を示しました。彼はその後も治療を受けながら執筆を続けましたが、2014年1月18日、肺炎のために逝去しました。

コラム「近聞遠見」

岩見は1989年から毎日新聞で政治コラム「近聞遠見」を週1回連載し、政治に関する鋭い視点を提供しました。特に、2013年12月7日付の『政治家の伴侶としての「女」』が彼の絶筆となり、その後の彼の影響力を物語っています。

事実誤認の問題

2009年には、事実誤認に基づいたコラムで麻生太郎首相を批判し、誤った情報の提供が問題視されました。彼は問題に対し謝罪を行い、訂正を行ったものの、この出来事は彼のキャリアにおいて一つの波紋を呼びました。

著作とその他の活動

岩見はまた、数冊の著書を執筆し、政治の世界について容易に理解できる内容を提供しました。著書には『孤高の暴君 小泉純一郎』や『陛下の御質問 - 昭和天皇と戦後政治』などが含まれ、政治についての深い洞察を与えています。また、彼は日本エッセイスト・クラブの理事や、特定非営利活動法人江戸城再建を目指す会の顧問としても活動しました。

最後に、彼の息子たちも政治や社会に関わる活動を行っており、家族全体が社会に影響を与える存在であることを示しています。岩見隆夫は、日本の政治報道やジャーナリズムに貴重な足跡を残し、その影響は現在も色濃く続いています。

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